第4章、2人の絆

第1節、2人の悩み

あれから少しの間あの子は神社から距離を置いていた。

理由はモヤモヤした気持ちの整理をするためだった。そんな気持ちの整理が着くとふと神社に足を運んだ。神社に着くと吸い込まれるように社に座り愚痴をこぼし始めた。

「あれからずっと君と話そうとしたんだ。でもやっぱり話せなかった。本当に私ってだめだよね」

すると「それは違うと思うよ。貴方は自信が無いだけよ、嫌われるのを恐れてるだけだって」

とあの声が話しかけてきた。そして

「そんなんじゃ、いつまでたっても話せないよ。僕が特別に自信がでるおまじない教えてあげるよ。〝会話は挨拶から〟だよ」

と自信満々に言い放った。その言葉にあの子は

「なにそれ、そんなの当たり前じゃん。あーおかしい。まーなんかありがとう」

と笑いながら言うと何か吹っ切れたのか

「また来るよ」と言い残し神社を出て行った。


そのすぐ後くらいに君が来た。

君はあの後も気持ちの整理をする為、毎日のように神社に通っていた。

特に君は引っ越す事と、あの子との関係について相談していた。

それに声は「そう」とだけ返し、君が話し終えると、とひとつひとつアドバイスをしてくれた。

口調は小馬鹿にしたようだったが、どれも丁寧で真剣に答えてくれていると伝わった。

君はそんなアドバイスを不思議と受け入れることができた。

そして悩んでた気持ちの整理がある程度できると「また来るよ」と言っていつものように神社を後にした。

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