六年前、君と結んだ、あの約束

武野 諒

プロローグ

 『人は何の為に生きているのだろう』


 この疑問の答えは、生きている内に見つけられる人はそういないだろう。


 人は誰かと出会う為に生きる?

 人は誰かと恋をする為に生きる?

 人は誰かと一緒にいる為に生きる?


 『………………。』


 もしかしたら、人は死ぬ為に生きる――なんて考え方の人もいる。

 結局なんで人が生きているか、誰にも分からないし、勿論、二十二年間生きている自分にもまだ、完璧な答えは見つけられていない。

 それに、ここ六年俺はまともに生きては居ない。


 今も六年前の、彼女の……時には怒ったり。悲しんだり。喜んだり。恥ずかしそうに照れたりした表情を忘れることが出来ない。


 時には周囲の人を励まし、元気づけられる彼女ひと

 時には少しおっちょこちょいな事を起こしてしまう彼女ひと


 あの日から、六年も経つのにまだ昨日のことのように、ふとその時の情景が脳内を巡る。

 これからお話しするのは、俺の体験した、六年前の記憶についての物語………


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