2番目の話

わんたんそば

第1話 自己紹介

私の名前は「つかさ」といいます。

自己紹介の時は「しかいしゃ」の「し」です。

と付け加えます。


それで何の問題もなかった。

それまでは何も問題はなかった。

それで間違いが起きようとは考えもしなかった。

そんな間違いが起きるとは思いもしなかった。

そして間違いが起きてしまった。


結論は推測の通りだと予想しておりますが

オチは述べないとならないでしょう。。。

本当に何のひねりもなく、いまさら大したトンチも効いていない

答えを示すのは、とても恥ずかしいのですが。。。


出来ればオチを聞かないで欲しいのです。

聞こえたとしても、聞こえない振りをして欲しいのです。

切実に願っているのです。

祈っているのです。


きっと、その想いは届かないと思うのです。


あなたはきっと、そんな人だ。


私の期待通りに聞いてしまうんだ。

私の思う通りに聞いてしまうんだ。

私の思った通りの人間なんだ。


どうか今回ばかりは見逃してくれないだろうか?


私の期待を裏切ってはくれないでしょうか?

私の思い通りにならないではくれないでしょうか?

私の思う様な人間ではない事を証明してはいただけないでしょうか?


これから起こる結末を例えるなら


物陰に隠れて驚かそうとしている友人を先に見つけた時の感情に近いか?

誕生日に貰うプレゼントを偶然押入れの中から見つけた時の感情に近いか?

さっぱり分からず提出したテストの答案を待つ時の感情に近いか?


はっきりしている事は、ただ恥ずかしい。


ベッドの下に保存していた物を見つけられた時

引き出しの奥に大事に保管していた物を発見された時

無造作に机上に置いたままのを見られた時


どうにかして今回の間違いを正さなくては

何とかして誤りを訂正しなくては

何としてでも正解に導かなくては


だけど小細工は嫌いだ。


勇気を持って正直に誠実に真摯にオチを述べます。


私の名前は「つかさ」といいます。

職業は、


いや、やっぱり無理です!


私が歯医者だなんて!


歯科医者の私(し)だなんて!


司会者の司と、かけた事がオチだなんて!


歯科医者の師、歯科医者の詩、歯科医者の史、歯科医者の市、歯科医者の姿


いくらでも「し」の選択肢はあるのに!


その中で「私」を選ぶなんて!


もう死ぬ!!!


歯科医者の死!


そして、私は魔法使いに転生しました。

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