彼と彼女は好きあっている。

とうか

プロローグ:彼と彼女

　突然だが、俺には1つ年下の幼馴染がいる。

　彼女はなんと言ってもかわいい。

　天真爛漫で元気いっぱいなところがかわいい。

　ちょっとしたことで子どものように無邪気に喜ぶ姿がかわいい。

　目標に向かってひたむきに努力できるところがかわいい。

　肩くらいまである茶色の髪をふわりと揺らす姿がかわいい。

　彼女のかわいさの前には女神も嫉妬するだろう。

　俺はそんな彼女が好きだ。けれどこの恋は叶わない。

　彼女には好きな人がいるのだから。

　だから俺は──

　　＊＊＊

　突然だけど、私には1つ年上の幼馴染がいる。

　彼はなんと言ってもかっこいい。

　世話焼きで優しいところがかっこいい。

　他人のことを自分の事のように思える姿がかっこいい。

　責任感が強くて他人を放っておけないところがかっこいい。

　その顔に浮かべる柔らかな笑顔がかっこいい。

　彼のかっこよさの前には天使も恋に落ちるだろう。

　私はそんな彼が好きだ。けれどこの恋は叶わない。

　彼には好きな人がいるのだから。　

　だから私は──

　だから俺は、

　彼女の恋を全力で応援する！

　だから私は、

　彼の恋を全力で打ち破る！

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