どうでもよかった

黒豆

第1話

きっと全てはどうでもよかった。

ただ、私は人それぞれに世界があると思う。

だからこそ人は面白い。


その世界を見たくて、見たくてしょうがないのだ。どんなに求めても私がみることができない、その世界を求めてきっとあなたを求めるのだ。


ただ知ってしまったら、もう終わりだ。胸の高鳴りすら感じない。ただの空虚だ。


何回も食べ過ぎて飽きた料理のように、別のものを食べたくなる。人との関わりもまた同じなのかもしれない。


しかし、私が満足する世界はいつも見当たらない。きっと世界とは、生と死の狭間で生まれるものでありそれ以外は全て紛い物だ。

オリジナルには遠く及ばない。


結局なにがいいたいのか、それすらもわからない。けれど、やはり真の世界は誰にもわからないのかもしれない。私が求めている世界もきっと手の届かない場所にあるのだ。だからこそ欲してしまう、求めてしまう。細胞が、魂が、全てをかけて欲している。


私が生きている意味はこれだ。

世界を知りたい。ただこれだけだ。

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どうでもよかった 黒豆 @96001202

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