第248話 私に神如き力を使わせるようにしているよね?
くそー、天使と呼ばれるのも太陽も困る。折角カリンさんとマリカさんと仲良くなり始めていたのに。
ブツクサ言いながら最初のテーブルに戻るとお母さんもノレルお母さんも金色お父さんも居なくなっていた。
「あれ?お母さん達は?」
「ああ、ツネジロウと千明は屋上。ノレルはジチの所だよ。
ノレルは地獄耳だね。
千歳がツネノリの練習風景を映像化したのを聞いて僕に頼んできていて、それを見たらジチに感謝しに行ったんだ」
私は振り返るとジチさんとルノレお母さんとノレノレお母さんと泣きながらツネノリの可愛い所を言い合っている。
「マリオンさんのは…」
「黙ってあるよ」
「良かった」
「見せてみればいいのに」
そう言ったのはジョマだ。
「ジョマ、ダメだよ。
それはこの素晴らしい空間が台無しになるよ。
匙加減を意識してね」
「はーい」
そう言ってほほを膨らませる顔は完全に北海道子だ。
「ツネノリ」
「ああ」
私達は2人の前にきちんと立つ。
「東さん、ジョマ」
「2人とも、ありがとうございました」
「別にこの完全解決は君達の努力だよ?」
「そうよ」
「私は2人のおかげで成長できた」
「俺も成長出来た。メリシアにも会えた」
「だからありがとう」
「ありがとうございます」
そう言って感謝をする。
2人は照れた後で「こちらこそありがとう」と言ってくれた。
「ツネノリ様」
ジョマがツネノリを見て呼ぶ。
「何?」
「謝るべきよね。
セカンドに命に限りある状態で召喚した事を謝らせて。
ごめんなさい」
「いや、全て千歳とメリシアに会うためだと思えているから俺は感謝しかない。
ザンネ先生、テツイ先生、マリオンさん、キヨロスさんの事もジョマが居たから知れた。
俺の世界は広がった。
ありがとう」
「もう、本当に敵わない」
そう言ってジョマが泣く。
「ツネノリ、私は東さんに話があるからツネノリはメリシアさんと話してきなよ」
「あ、ああ…そうだな」
「緊張してる?」
「バカを言うな」
そう言ってツネノリはメリシアさんに「待たせた」と言って2人で神殿の奥に消えて行く。
迷子にならないかな?と心配したが
「神殿はメリシアの方が詳しいから大丈夫」と東さんが教えてくれた。
「それで、千歳の話は何?」
「何個かあるけど、これ少しおかしいよね?
私に神如き力を使わせるようにしているよね?」
「流石千歳様」
「やっぱり、じゃあ地球の神様の差し金かな?」
「正解だ。本当に千歳は凄いね。
あの後、千歳が神の国で眠った後に地球の神から言われたんだ。
千歳がジョマをあの名前で呼ばせない為にする条件」
「何?」
「神如き力を放棄しない事…」
「だと思った。でもそれだと足りないよね。後は何?」
「…本当に千歳は何処までわかっているんだい?」
「なんとなくだよ。でも多分神様の要求とジョマと東さんの希望は同じになったよね?」
「……千歳様」
「…本当になんとなくなのかい?」
「うん…なんとなくだよ。私が言う方が良いかな?」
「いや、僕が言う。
サードガーデンを僕とジョマの2人の神ではなく、千歳を第3の神として迎え入れて三柱の神でサードガーデンを成功させる事」
「そう来たか」
「千歳は何だと思ったんだい?」
「東さんが安心してサードガーデンに向かえるように私がゼロガーデンの神を代行する事だと思ったよ」
「成る程、それは別の者に頼むことにしたよ」
「ああ、じゃあ王様だ」
「千歳様?鋭すぎない?」
「そうかな?私は地球の神様と完全解決の事を話した時からいずれ神の国で戦闘になる事も考えたし、その時に私だけでは戦力不足でどうしても力が必要で、でもツネノリには望めないと思ったの。
仮に神の国に連れて行けてもツネノリが神如き力に目覚めて子供が2人とも半神半人なのはお父さん達に申し訳ないし。
仮に私が人に戻れなくなってもツネノリが人間で居ればお父さんもお母さんもルルお母さんも金色お父さんも平気だと思ったの。
だから私は東さんに内緒で神殺しの力を持つ王様に頼んだの。
王様はガーデンのみんなの為ならって快諾してくれたよ。
でも王様も私も不老不死は求めないよ。
命ある限りやれるだけはやるよ」
「千歳…」
「じきに王様も神如き力に目覚めるよね。
そうしたら半神半人でいられるように助けてあげてね」
「千歳様、ごめんなさい!」
「ジョマ」
「私の為に千歳様や王様には大変な思いをさせちゃう」
「いいよ。大丈夫。ジョマも東さんもガーデンのみんなも好き。
だから私と王様が守るから。
3人でサードガーデンを成功させよう」
「はい。
絶対!絶対に成功させます!」
「千歳、ありがとう」
「東さん、いいよ。
でも約束は守ってね」
「何だい?
ちゃんとジョマをパートナーにする事は守ってね」
「…本気かい?」
「私は本気だよ」
「千歳様…」
「ジョマは東さん嫌い?」
「え?」
そう言ったジョマは顔を赤くする。
「私にはとても勿体ない相手で、こんな素晴らしい世界を作れる創造神は居ません」
「じゃあ東さん次第だね」
「千歳…」
「私を半神半人にしたんだから、ちゃんと約束守ってよね」
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