才脳ある人達には、何がある?

 昨今、SNSで、小説家になりたい方達が、自分には才能がない、あの人の才能を思うと筆を折りたくなる、など、才能のことになると悲観的な呟きが散見する。


 そもそも才能ってどこにあるんだろう、という問いに対する意見は前作で述べた。

 才脳、などと造語を用いて説明したわけだが、才脳の構造については、当時の作者では説明できなかった。


 今回は、執筆の才能に限ってだけ述べるつもりだ。

 


 小説の表現などに関しては、作者には一家言すらないので縷々とした解説はしないが、前提として表現力のある人はたくさんの小説を読んでいるであろう。

 だが小説を読んでいる量や、全く同じ小説を読んでいるのに、表現力に偏差が出るのは不思議である。

 そこでちょっとした情報をもとに、考察する。

 それは中学生や高校生で、賞を受賞してデビューした小説家を少し調べてみた。

 人数でいえばかなり該当するので、独断と偏見で絞らせていただいた。


まずは、『星に願いを、そして手を。』作者、青羽悠さん。

 選んだ理由は、既読していること、学歴、出身地。

 出身地は愛知県で、愛知県屈指の進学校から大学は京大だそうです。

 脳力が高いのが明らかで、偏差値40前半の高校を出た自分から擦れば、垂涎の経歴。

 さらにこの人はデビュー作が初めて書いた小説らしいのだから、恐れ入る。

 やはり頭が良い人の方が有利、なのだろうか。


 続いて、坪田侑也さん。『探偵はぼっちじゃない』の作者。

 選んだ理由は、学歴。

 あの名門、慶應義塾の普通部。とにかく偏差値が高い。自分では足元にも及ばない輝かしい経歴だ。

 青羽悠よりも若い年齢で受賞しているため、小説は脳で書くもの、だと改めて思い知らされる。


次は、知名度高い乙一さん。

選んだ理由は、やはり学歴と、出身地。

といっても前記の二人に比べると、見劣りしてしまうかもしれない、豊橋の工科大学。

小説読むことに傾注し出した年齢も、十五歳ごろだというので、あながち飛びぬけて適した環境にいたわけでもないらしい。


もう一人、比較対象のために挙げる。

鈴木るりかさん。齢14歳でデビューした新進気鋭の女性作家だ。

選んだ理由は、天から授けられたような教育環境。

なんと幼年期から、図書館に通っていたそうである。学歴そのものは、青羽悠、坪田侑也の両人から比べると、それほど優れた学歴とはいえない。それでも小説の執筆能力は遜色ないと見ていいだろう。ただし作者の小説を読んだことはないが。

幼年期は人間の脳の基礎が形成される教育で、大事な時期。

稀代の音楽家モーツァルトみたいに、幼少期から教育環境が固められたことによって生まれた作家といえるだろう。


四人の作家を比較すると、頭が良いか、優れた環境だったか、光るものがあるか、のどれかである。

 やはりこうしてみると、乙一さん以外は、執筆の脳力が高い、という結論に至る。

 執筆は脳力が胆、と考えざるを得ない。

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