第七話 彼女と事件①

俺達のクラスで事件が起きたのは勉強会があった週の木曜日。


体育の授業の後だった。体育は男女それぞれ別のところで行なっていた。


体育の着替えのことなのだが女子は普段俺達が使っている教室で着替え、男子は別の空き教室で着替えている。


何故いきなりそんな話をしたのかというと、桃山の下着が盗まれたからであった。


そして、その日は男子が少し早く体育の授業を終えていた。この結果でもう既にわかると思うが、クラスの空気は最悪だった。


「こんなの男子がやったに決まってるでしょ!?」


桃山の親友の古内志穂が声をあげた。


「そうやってすぐ男子のせいにするのは良くないと思うぜ。」男子からも声が上がる。


桃山の横には拓斗がいて彼女を慰めていた。


「おいおい、そんなに落ち込むなって。」


「拓斗にはわかんないよ...。今の私の気持ちなんて」


桃山も珍しく元気がない様子だ。


そんな最悪の空気の中、俺は一人は思考を巡らせていた。


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