中学編

中学生編 1章 出会い 

ニッポン

 アリスの両親は父が日本人で母がイギリス人のハーフ。

 小さい頃から住んでいるロンドンの市街地の一軒に休日中のパパにアリスが聞いた。

「ねぇパパ、ニッポンてどうなの?」

 新聞から目を離してアリスを見た。

「ん? なんだアリス日本に興味があるのか?」

「うん。昨日テレビでにニッポンを放送してたから気になったの。パパってニッポンの出身なんでしょ?」

「よく知ってるなアリス。そうだよパパは日本出身なんだよ。アリスは日本に興味あるのかい?」

 日本ついてはまだ知らないことばかりだけどいつか行ってみたい。 

「うん」

 アリスは首を縦に何度も振る。

 母がコーヒーを注いで持ってきた。

「日本、懐かしいわね」

 コーヒーを受け取り父は一口飲む。

「そうだな。母さんと新婚旅行に行ったな」

「えぇ楽しかったわね。ねぇあなた、アリスを日本に連れて旅行しましょう」

 母から日本という単語に心が弾んだ。

「ニッポンに行けるの!?」

 父の顔を見ると難しい顔をしていた。

「ダメだな。仕事で出世が出来そうなチャンスだから数年はかかる。だから日本は行けないな」

 行けない……。

 ちょっと楽しみにしてたから気分が落ち込む。

「ニッポンに行かないんだ」

「アリス……」

 母が父を呼び止めた。

「ねぇ、あなたアリスを日本に連れて行けないかしら。あの子が興味があるから出来るだけやらせめあげたいの」

「そうだな。興味を持つことはいいことだから尊重してあげたいな……」

 父は首を傾げて唸ってる。

「そうだな、こうしよう」

 父が母の耳元で言っていてアリスに聞こえないようにして母が納得していた。

「そうね。向こうで嬉しいわね」

 母がなにを納得したのか全くわからない。それに頑張れとはなに?

 父はコーヒーを飲み干し立ち上がりスマホでどこかに電話していた。

「もしもし、久しぶりそれで電話したのは…………それじゃ」

 電話を切り終わると父はアリスの肩を掴んだ。

「アリスホームステイしてみないか?」

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