家族になるからそばにいて欲しい
二髪ハル
プロローグ お風呂
「あぁ〜〜」
「今日も頑張ったな……」
高二で勉強しながらアルバイトの喫茶店は大変。
アルバイトをしているのはただ遊ぶために稼いでるといえばそうだ。両親の仕送りで貰っているが少し足りないから稼いでる。
「まあ俺がしたくてやっているんだがな……」
すると脱衣所の方から人影がぼんやり写った。
だんだんと肌色が見え扉がガラッと開く。
現れたのは銀髪で瞳が茶色の貧乳な少女が全裸で登場してきた。
「ケン一緒に入ろう」
彼女は
妹と言っても本当の妹ではなく義妹だ。
「体洗うから出て出て」
急かすが声が弾んで嬉しそうだ。
「うん」
ケンは湯船から出て敷いてあるマットレスの上に腰かける。
スポンジを泡立てて背中に当てた。
「~~~♪」
鼻歌が湯船に響いて軽快なリズムと共に背中を泡だらけにしていく。
「なんかいい事あったのか?」
「うん、聞いて聞いて。昨日見ていたアニメのオープニングが良い曲凄くカッコ良かったんだよ!」
アリスは
俺がアニメを進めたら一気に俺よりアニメヲタクになっていた。
「へえ。まだ俺見てないな、そのアニメ」
「お風呂から出たらもう一回出ようと思うんだけどケンも一緒に見る?」
「うん見たいな」
泡だらけになった背中をお湯で洗い流してアリス立ち上がった。
「はい交代ね」
スポンジを渡されて俺は一歩後ろに下がる。
手にシャンプーをつけアリスの髪の毛をゴシゴシとした。
「痒いところはないか?」
「うん、ないよ。ありがとう」
十分に泡立ちシャワーを手に取った。
「じゃあ目を瞑って」
「はーい」
泡を落とすと綺麗な銀髪が更に輝きを増していく。
本当に綺麗だな。とそう感心してしまうほど目を奪われる。
アリスはタオルを頭に巻いて髪を落ちないようにしていた。
今度はスポンジに石鹸を擦り付けて泡立てアリスの背中にスポンジを当てた。
背中も泡立ちスポンジをアリスに渡した。
「はい。前は自分でやって」
アリスはちょっとイヤな顔をしている。
「えーケンが前も洗ってくれても良いのに」
「ヤダよ子供じゃあないんだから。洗えるところは自分でやりなって」
「へーい。まあケンは三次元の女子には興味ないってわかっているんだけど」
確かに三次元の女子と関わったのってアリスだけだし別に誰かと恋愛するとか意味がわからない。
「前も洗ったよ」
こんな俺が彼女を作っても幸せに……。
「ケン? おーいケン」
アリスが手を振っていて慌てて気づいた。
「……あっ」
「大丈夫? 学校でなにか嫌なことあったとか?」
心配そうにアリスが顔を覗き込んできた。
「なんでもないよ。心配してくれてサンキューな」
俺は慌ててシャワーのお湯を出して泡を洗い流す。
アリスが先に湯船に浸かり俺も一緒に浸かう。
湯船は狭くてアリスが体を寄りかかって背伸びをした。
「んん〜〜」
「たまには一人とか入ってみるとかどうだ背伸びとかゆっくり出来るし」
先に湯船に浸かってたから気楽に出来ると思い相談してみる。
「私はこうして一緒に入りたいかな。一人で入ってると泣いちゃいそうだから」
……そっか。アリスはまだ寂しかったんだな。
「すまん。そこまで」
「ううん。私のわがままに聞いてくれてありがとうお兄ちゃん」
「いや、アリスのためだったら」
俺はアリスのためだったら頑張れる。
俺はアリスのお兄ちゃんとして家族としてそばに居たいんだから。
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