No.6 フレンズ



 パンツ一枚にマント姿の変態ことジャックを拾った後も歩くこと数時間、夜もいよいよ更け込んできたと感じてきた頃やっと小さな町のようなところへ辿り着いた。

 町の名はアルヘッド。

 この辺りの地理に詳しいジャックに訊いてみれば、どうやらこの町を抜けて一、二時間ほど進んでいけばアルセイントに到着するらしい。

 ようやく目的地のすぐ傍まで来た。

 俺たちはまず宿を取り、とりあえずは運命的な出会いを祝して適当な酒場に入ることにする。

 俗にいう飲みミニュケーションという奴だ。本来ならばそこまで得意なものではないが、今回は同席者が変態なので無問題だろう。

 ちなみにラーは先に寝るといって宿の部屋に残り、俺たちにはついてこなかった。


「まずは飯だな。三日三晩飲まず食わずで逃げ回ってたせいで腹が減って仕方がない。ウェイ! そこのお姉さん! 注文を頼む」


 適当な席を見つけると、ジャックは俺の分の注文を確認することなくウェイトレスを呼びつける。

 彼の姿はいまだ出会った時から一切変化しておらず、顔も煤と焦げで汚れきったまま。入店拒否されなかったのが奇跡に思える。


「お待たせ致しました。ご注文を窺います」

「……まずは君を一つ」


 するとこの大馬鹿者は、いきなり人類の理解を超えた発言を開口一番繰り出す。

 頭がおかしいのだろうか。きっとおかしいのだろう。

 まだ酔いも回っていないくせに面倒なことをしでかしている。

 

「……ご注文をどうぞ」

「おっとォ! 周囲が賑やかすぎるせいでちょっと聞こえなかったのかな? それともプリチィなシャイガールなり照れ隠しって奴かい?」

「ご注文をどうぞ」


 もういたたまれない。今すぐこの場から逃げ出したい。

 こいつは本当に一体なにをしているのか。俺の方が恥ずかしさと緊張で吐きそうになってくる。俺だってまだ一滴も酒を飲んでいないのに。


「おいおい、いくらおれが魅力的だからって、そこまで怯えることはないぜ。なぁに、たしかにおれはクールで少しばかり人を寄せ付けない印象があるが、実際はそんなことはない。こう見えて案外優しいというか、うん、そう、人に対してはかなり配慮できるタイプの人間と言っても過言ではないのさ。まあそういうギャップ的なあれがおれの魅力でもあるともいえ……」

「ご注文は以上ですね。それでは」


 哀れなジャックはいまだ喋り続けているが、すでにウェイトレスの女性は違うテーブルに移動してしまっている。

 先ほどまでは同じ変態同士わかり合えると思っていたが、やっぱり無理な気がしてきた。

 こいつは駄目だ。はっきり言って駄目人間だ。たぶん友達も彼女もいない。


「……ってうぉおおい! もういないじゃないかよぉ!」

「あ、そうですね」


 クスリともできないノリツッコミのような何かをしたところで、やっとジャックはこちらの世界に帰ってきた。

 結局まだ満足に注文すらできていない。もう一度あの店員を呼ぶことが尋常ではなくハードル高くなってしまったが、いったいどう責任をとってくれるのだろうか。


「なあ、ムト。さっきのどう思う? 惜しかったよな? あと少しであの娘、おれに惚れそうだったろ?」

「嘘だろおい。今のどこでそんな手応えを?」


 もはや俺がおかしいのかこいつがおかしいのかわからなくなってきた。

 今のは誰がどう見ても撃沈とすら言えないほど完膚無きまでの失敗例だったはずだ。

 それにも関わらず、なぜこの男はどこか満足気な表情で一人頷いているのだ。


「女ってのは、みんなウサギちゃんなのさ。常に構って欲しいという欲求を持っていながら、それを表に出すことは恥ずかしいと思ってる。つまり女にモテるためにするべきことはたった一つ。……押して押して押しまくること、っちゅうわけよ」

「な、なるほど」

「お前も俺を見習えよ? もし女にモテたいんだったらな」

「べ、勉強になります」


 ジャックは聞いてもいないのに勝手に自分の女性論を語り出す。

 俺には相当痛々しい奴にしか思えないが、事実冷静に考えて俺は人のことをとやかく言える立場ではない。

 しょせん、童貞。どうしたって男の世界では最底辺の存在だ。

 たしかに彼ほどの積極性、ポジティブシンキングが今の俺に必要なものなのかもしれない。 


「あの、参考までにお聞きしたいんですけど、ジャックさんはこれまでにどれくらいの女性と関係を持ったことがあるんですか?」

「関係? それは、つまり、そういう意味の、関係か?」

「はい。つまり、そういう意味の、関係です」


 俺が真剣な態度で問い掛けてみれば、ジャックは口角をニヤッと持ち上げて笑う。

 これが勝者の余裕なのか。

 こんなダル絡み変態マント野郎でも、俺よりはオスとして上の存在とでもいうのか。


「聞いて驚くなよ……ゼロ、だ」

「へ?」


 しかしジャックが俺の質問に答えを返した瞬間、俺の心の何かが崩れ去る音がした。

 聞き間違いだろうか。

 あまりに現実を受け入れたくないせいで、聴覚が現実を捻じ曲げて伝えた可能性もある。

  

「す、すいません。ちょっと聞き逃しちゃって、今、なんと?」

「馬鹿。耳穴かっぽじってよく聞けよ? ……ゼロだ。おれはこれまで女性と経験はおろか、交際関係にすら発展したことはない」


 もう一度尋ねても見ても、やはり答えは変わらない。

 これはおかしい。非常におかしい。

 俺は返答の意味をゆっくり頭の中でこね回しながら、対面に座るダークブラウンの髪をした男を見つめてみる。

 その表情は、どう考えてもドヤァ、という効果音がつきそうなものだ。

 でもそれはおかしい。絶対におかしい。

 表情と台詞が一致していないのだ。

 するとその時、ある一つの明快な解が脳内に示された気がした。

 これまでの全ての言動を完璧に辻褄が合うようにする、唯一無二の解が。



「……お前ただの勘違い童貞ヤローじゃねぇかふざけんな!」

「ウェウェウェイ!? な、なんだよいきなり!?」



 信じられない。まさかのこいつもただの童貞だったとは。

 あれほど自信満々な態度は勘違い童貞ならではの、俺、女知ってるから、アピールにしか過ぎなかった。

 どこまでも俺と似てるようで正反対な奴だ。

 俺は自らの立場をわきまえ、自分があまりに低レベルな存在のせいで女性が寄ってこないと思っているが、おそらくジャックは逆だろう。

 自らの立場をわきまえず、自分があまりに高いレベルの存在なせいで女性が寄ってこれないのだと思っているんだこいつは。なんて間抜け。腹が立ち過ぎて腹筋が攣りそうだ。


「なぁーにが、ウサギちゃんだよ。これだから童貞は困る。勝手な妄想に憑りつかれ、これまた勝手な女性像を創り出す。だからお前は童貞なんだ」

「てめぇムトこの野郎!? いきなり好き勝手言いやがって! じゃあお前はどうなんだよ! どれくらい女性経験があるってんだ!」

「ゼロですがなにか?」

「ほぉーれ見ろ! お前もゼロじゃねぇか! この陰気童貞! ばーか! ばーか! どうせご自慢の短小にもカビ生えてんだろ!」

「貴様ぁ! 絶対許さんぞこの人間ハラスメント野郎! お前なんぞ存在が性犯罪なんじゃ! 童貞は童貞らしく賞味期限の切れたタマキンの皺でも数えてろ!」

「ファァッックッ! お前いくら服の恩人だからって言っていいことと悪いことがあるだろぉん!?」


 いよいよ俺とジャックは互いの唾が顔面にかかる勢いで口論を始める。

 同族嫌悪とでもいうのだろうか。ジャックの考えていることがある程度理解できるせいか、普段以上に彼の言葉が勘に触る。

 いつもの俺はこんなに感情的な人間ではないのに、今はなぜか冷静さを完全に失ってしまっていた。


「だいたいさっきのもなんだよ! いきなり、君を一つ、だっけ? ピャアア! 笑える! キモ過ぎお腹痛い! 何もカッコよくないんじゃ裏スジ洗って出直してこい!」

「ば! 馬鹿! ば! ば! うるせぇよ馬鹿! そういうお前はどうせ、女には自分から話しかけられず、話しかけられたら話しかけられたで、あっあっあっ、しか言えないくせに! なに喘いでんだよクソ根暗童貞が!」


 ジャックもジャックでピンポイントで俺の弱点を突いてくる。

 さすが同じ変態紳士の仲間だ。よくわかっている。

 しかしその分だけ、俺の怒りも倍速で煽られていく。

 これはそろそろ実力行使をしなくてはいけないかもしれない。

 ちょっとしたお仕置きが必要だ。こいつの尻穴に机のあしを突っ込めるくらいには苛立っている。


「ちっくしょう! もう頭来たぜ! おいムト! 表でろよ! お前に童貞だろうが恩人だろうが変態だろうが守らなくちゃいけない最低限の礼儀ってもんを教えてやる!」

「やってみろ先天性脳性病患者。後悔させてやる」


 ついに椅子から立ち上がり、机に足を乗せジャックは俺に睨みをきかす。

 ここまでされたら、さすがにヘタレチキン野郎で有名な俺も黙ってるわけにはいかない。

 童貞としてのプライドを守るため、睨み返しながらあえてゆっくりと時間をかけて俺も席を立つ。



「おう。そうだな。外は涼しい。その火照った頭を冷やすにはちょうどいい。お前ら、二人とも外でろ」



 ――その時、頭に冷や水をかぶせるように極寒を思わせる言葉が降り注ぐ。


「え?」

「へ?」


 俺とジャックは揃って固まると、突如襲い掛かってきた言葉の方へ顔を同時に向け、二人一緒に絶句した。


「うちの店からでてけぇ!」


 照明を美しく反射するスキンヘッド。

 数人は確実にやってること間違いなしの殺人的眼光。

 なんとかザップをしてるのは見ればわかる腕の筋肉。

 その店主らしき存在に俺とジャックは首根っこを掴まれ、そのまま外へぶん投げられてしまった。


「ぐうぇっ!?」

「ぴぃぎゃあ!?」


 こういう時、ジャンヌはなぜか出てきてくれない。空気を読んでいるのだろうか。きっとそうだ。決して俺を見捨てているわけでないはず。

 そして俺たちは肌寒い夜空の下に放り出され、全身を石ころに何度か殴打されながら地面を弾み、やがて仰向けになって動かなくなる。



「……おい。ムト、生きてるか?」

「……なんとか」



 満天の星空、道の真ん中で仰向けになりながら眺めている。

 絶景というやつだ。状況さえ忘れてしまえば、いつまでも見ていられるほど綺麗だった。



「……ぶっ、ぶはははははっ!!!!! 俺たちって最高だなぁっ!」

「……ふふっ、なにがだよ」



 そんでもってよくわからないが、親友っぽい、よくわからないとりあえず童貞なのだけは確かな存在もできた。




――――




 暴雨、そんな言葉では生温いほどの滂沱が吹き荒れ、真昼にも関わらず黒鼠に染まった空からはときおり稲妻が煌めいている。

 水霧のカーテンによって視界は非常に悪く、手を少し先に伸ばしてみれば指先が灰白の中に霞んでしまうほどだ。

 木々が風に揺れ、やがて耐え切れずそのうちの一本が倒壊する。

 橙の泥が辺りに飛び散るが、それもすぐに風に流され雨滴の一部となった。


「グルル……ッ」


 ふと聞こえる地の底から響いてくるような唸り声。

 雨粒が泥土を穿つ音に負けずに空気を揺らすその重鈍な音は、鬱蒼と茂る木々の奥からこだましていた。

 

 やがて顔を出す、一匹の狼。


 全身を雨に濡らしながらも獰猛な瞳の輝きを鈍らせない狼は、金色の毛をしていた。

 感情ではなく本能と呼ぶべき色しか宿らない眼で、その黄金の狼は森のある一点を真っ直ぐと睨みつけている。

  


「……よお、お前も腹、減ってんのか? ああん?」



 耳を劈く雷鳴。

 その苛烈な光と音に反応するかのように、一人の男が金狼の前へ現れる。

 肩にまで伸びる、ずいぶんと長い間手入れをされていないことが一目でわかる荒れた銀髪。

 粗暴な口調に違わない、野生の獣のような目つき。

 衣服は下半身しか纏っておらず、無駄の一切ない鍛え抜かれた肉体が雨空の下晒されている。


「悪りぃが、俺も腹、減ってんだよ」


 魔力纏繞まりょくてんじょう

 武器も持たない男は静かにそう呟くと、無色の鎧を身に纏う。

 研ぎ澄まされた魔の力は男が平凡、と呼ばれる領域から逸脱していることを明白にしている。


「グルル……ッ」


 対する金狼はいまだ動くこともせず、ただ男を見つめているだけ。

 湯気のように沸き立つ男の魔力を見ても、心を乱すことなく、いつでも反応できるよう四肢に力を込めるだけだった。


「いくぜゴラァッ!」


 まず初めに、男が動いた。

 何の迷いもなく正面から金狼に迫り、利き腕である右手で握りこぶしをつくる。

 揺らめく魔力が右手に集中し、爆発的な光を撒き散らす。


「死に晒せボケェッ! 《フレイムナックル》!」


 魔力が火焔として具現化し、男の右腕が真紅に染まり上がる。

 降りしきる雨粒は炎に触れた瞬間蒸発し、男の周囲だけが異様に明るく輝いている。


「グルッ!」


 しかし男の炎拳は何者にも届かない。

 金狼は驚異的な跳躍を見せ、男の遥か頭上を飛び越えて行った。

 

「チッ! 逃がすかよぉ! 《フレイランス》!」


 槍をかたどる暴熱の炎。

 男は三本ほどその火槍を魔法で創り出すと、少し離れた場所に降り立った金狼に放擲する。

 

「グルァッ!」


 自らに向かい迫ってくる火槍に対して、金狼は凄まじい咆哮で対抗する。

 その咆哮は凄まじい突風を吹かせ、いとも簡単に炎の槍を掻き消してしまう。

 鋭い牙を剥き出しにし、そして今度は金狼の方から男へ突進していく。


「こいよオラァ! 俺はてめぇみたいな犬っころ如きにてこずってる場合じゃねぇんだよ! 早くあの人に追いつかなきゃならねぇんだ! 邪魔すんじゃねぇ!」


 男も負けじと獣のように声を張り上げ、迫る金狼を迎え討つ。

 胸の内側からむりやり魔力を捻り出し、意識が飛びそうになるのを力づくで抑え込み、強固な意志を熱に変える。



「俺の名はヴォルフ・ブレイドぉ! 大英雄ムト・ジャンヌダルクの弟分だゴラァ! 犬畜生にその俺が負けたらムト大兄貴に示しがつかねぇだろこのボケェがぁ! 《フレイムオペラ》ァァッッッ!!!!!」



 男――ヴォルフの絶叫と共に、爆炎が巻き上がる。

 小さな爆発が何度も炸裂し、炎は爆発が重なる度に大きさを増していく。

 金狼が突進してきた場所を中心に嵐に近い風が吹き荒れていたが、その風すら激甚の焔が飲み込んでいく。


「オラオラオラ燃えろ燃えろ燃えろ燃え尽きろオラァッ!!!」


 ヴォルフは魔力の過剰消費をまるで考慮せず、渾身の一撃にひたすら自らの魔力を注ぎ込む。

 吐血し、視界が不明瞭になり、肌をうつ雨粒の感触すらわからなくなり始めても、魔力をつぎ込むことを止めない。


「グルアアッッッ!!!!」

「オラアアッッッ!!!!」


 金狼の最後の足掻きか、風刃が炎幕の中から飛び出しヴォルフの身を切り裂いていく。

 それでも彼は鋭い痛みにも、とうとう意識すら混濁してきたことにも構わず、炎の熱量を上げ続ける。

 両足から力が抜け、膝を泥土につく。

 

(まだだ)


 声すら出せなくなっても、ヴォルフにはわかっていた。まだ金狼に息があることを。

 ここで折れたら、全てが終わる。

 たった一つの約束のためにも、彼は、もう二度と負けるわけにはいかなかった。

 

(俺は……負けねぇ!)


 ついに呼吸も止まり、暴力的なまでの勢いを持った雨音すら聞こえなくなる。

 風が、やむ。 

 緩やかな衝撃が身体を揺らし、土の味が口の中に広がってやっとヴォルフは自分が地面に倒れ込んだことを知る。


(勝った……のか?)


 魔力根渇のせいでまともに息をすることすら敵わないが、まだ生きていることだけはわかる。

 すでに真っ赤な光も、空気すら焦がす熱も感じない。

 灰色に染まった視界からは何も確認することができなかったが、どうにも敗北の味はしない。


(よっしゃ……俺は、勝った……)


 そしてヴォルフはそこで意識を完全に失った。

 骨の髄まで焼き尽くされ、息絶えた金狼と隣り合うように倒れる彼は、もう動くこともせずに豪雨に打たれ続けるのみだった。

   




「……あー、なんだこりゃ。あたしの“ペット”が死んでるじゃん。ふざけるんじゃないわよ。まったく、どこのどいつがやったわけ?」


 ヴォルフが気を失ってから数分後、どこからともなく一人の女が彼と金狼の下へ姿を見せる。

 全身を黒の外套で覆った彼女もまた、豊満なボディラインが浮き出ることも気にせずに全身を雨ざらしにしている。


「こいつの仕業か……よし、こいつはまだ生きてるわね。もういいや。こいつを代わりのペットにしよう」


 女は履いた靴でヴォルフの顔を何度か踏みつけると、まだ命があることを確認し、ニヤリと妖しげな笑みを浮かべた。

 フードから伸びる紫紺の髪と同じ色の瞳を輝かせ、女はどこか懐かしそうにヴォルフの顔を見つめる。


「……人を拾うのはずいぶん久し振りね。レウミカ以来だったっけ?」


 女が手を軽く上げると、物言わず横たわる金狼が一瞬にして透明な氷に包まれる。

 派生属性と呼ばれるほど高度なものである、氷属性魔法。

 その氷属性魔法を当然のように無詠唱で発動させ、女は鬱陶しそうに雨空を見上げる。

 

「あー……寒い」


 パキリ、と氷の結晶は音を立てて砕け散る。

 金狼は美麗な氷片となって宙を舞い、水霧にとけて消えていく。

 それは女なりの弔いであり、彼女らしい親しみの表現方法だった。


「実はこいつもレウミカみたいに知り合いの関係者だったり……はさすがにしないか。さっさと家に連れ帰って、手当てして、そんでもってペットにしようかね」


 そして女は、自らより背丈も横幅も大きいヴォルフをいとも簡単に肩に担ぐと、また森の奥へと姿を消す。

 

氷麗つららの三番目”クレスティーナ・アレキサンダー。


 かつて世界からそう呼ばれた、九賢人である彼女がどこへ向かったのか、それを知る者はどこにもいなかった。




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