バルサ・シティへ!

史上最高額となる3億2300万€ (約420億円)でバルサシティに加入した秀徹。このバルサの賭けとも言えるような高額取引に世界は驚いた。

マドリードも2億8000万€で昨年度に49試合42ゴール9アシストを達成したナバッペを獲得して世を沸かせたが、その盛り上がりすらも吹き飛ばすほど、秀徹の移籍は世に驚きと盛り上がりを与えた。


秀徹は4年契約で、4年間で150得点を決めた場合自動的に2年間の契約延長がなされる契約を結んでいる。年俸は4000万€に落ち着いた。

背番号は10番。当然ながらバルサシティのエースナンバーになる。秀徹の入団にともなって19歳で主力の座を掴んだファビオも背番号を9番に移している。


以下は主なメンバーである。


1 GK 能力値90

シュターゲン:バルサの守護神。足元の技術に優れており、GKにも関わらずアシストがつくこともしばしばある。GKとしての能力も卓越しており、長年ドイツ代表でGKをしていたノイヤーからポジションを奪取するほど。


3 CB 能力値86

ジェラール・ピテ:バルサで10年以上主力として活躍する長身CB。スピードはないが、それを補って余りあるほどのディフェンス能力を持つ。ただしここ数年で明らかに衰えが見られてきており、彼の代役が欲しいところ。チームキャプテン。


15 CB 能力値88

ラングル:フランスのCB。スピードやディフェンス、空中戦などの能力をバランス良く有しており、ロングフィードによるビルドアップも得意。バルサの守備を牽引する選手としてまだまだ伸び代があるとされている26歳。


23 CB 能力値83

アラルホ:ウルグアイリーグのトップチームに19歳という若さでレギュラーとして定着したことからバルサへと移籍した選手。19-20シーズンにはバルサのCB不足でBチームからAチームに昇格した。若いのに非常に落ち着いた守備が出来る。


20 RSB 能力値85

サルジ・ロベルタ:バルサの下部組織出身。元々CMFの選手で、今でもしばしばそのポジションでも起用される。ボールの扱いに長けており、サイドバックとして中央のパス回しに協力することも。


2 RSB 能力値83

セメロ:サイドバックとしてスピード、ディフェンス能力、ドリブル能力をバランス良く備えている選手。


18 LSB 能力値87

アリバ:スピードのあるバルサのLSB。守備力には多少の問題はあるが、バルサには欠かせない左サイドのクロサー、あるいはオーバーラッパーとして活躍しており、年間15ゴール近くに絡む。世界最高峰のサイドバックと言えるが、高齢の域に達している。


5 DMF 能力値87

ブスケット:長年、バルサの縁の下の力持ちとして守備やパス回しに携わってきた。彼は状況判断能力が高く、以前は彼がいるのといないのとでは明らかに試合の流れが変わっていた。が、最近はやや衰えが見られ始めており、後述のヤングの台頭により出場機会が減っている。


21 CMF 能力値87

フランキー・デ・ヤング:オランダの若手MF。秀徹とはレッズ時代にチャンピオンズリーグの決勝で対決した。ディフェンス能力とプレーメーク能力を兼ね備え、バルサの攻撃のスイッチを入れる原動力となっている。DMFもこなせる。


8 CMF 能力値88

ピャナック:以前、秀徹とはユーヴェで共闘したMF。プレースキックの質が高く、パスが上手い。バルサ加入後はユーヴェの時のように守備に追われることもなく、当時よりものびのびとプレーしている。


22 CMF 能力値88

ビザル:各地のビッグクラブを転々としながらレギュラーの座を掴み続けている生ける伝説。得点力も守備力も高く、CMFだけでなくサイドバックやCBも務めれる。バルサの本来求めるプレースタイルとは真逆のプレースタイルの持ち主だが、今のバルサが勝つには絶対に必要な選手だ。


19 CMF 能力値84

プレグ:バルサの下部組織出身。落ち着いたボールタッチと正確なパスを供給できる選手で、バルサの未来のプレーメーカーとして期待されている。若手選手。


4 CMF 能力値86

ラキティック:ボックストゥボックスとしてレベルの高いプレーをする選手。ディフェンスももちろんのことアタッキングセンスが高く、ボレーシュートなども上手い。


7 OMF 能力値85

コウケーニョ:レッズから2億€近い金額を投じてバルサが獲得したが、思うような成績を得られず二年間のローン移籍を強いられた。今季は秀徹が移籍するということでチームに復帰。相変わらず高いドリブル能力やパス能力を活かして復活できるか。


9 RWG 能力値86

アンス・ファビオ:バルサの下部組織出身。下部組織では久木と二人で大活躍しており、トップチーム昇格後も活躍を続けている。ドリブルが得意でシュートセンスも高い。今季からは主戦場を右サイドに移して戦うことになった。


17 ST 能力値87

グレーズマン:元アスレチックマドリードのエース。ゴタゴタがありながらもバルサへと来たが、来た当初はチームやファンからも煙たがられた。昨季はチームに順応して42試合で18ゴール10アシストを記録した。とはいえ、CFを務めるには物足りない数字であり、得点力の覚醒が求められる。


10 LWG 能力値94

高橋 秀徹:22歳にしてクラブで245試合200ゴール98アシストという驚異的な結果を残している選手。ゲームメークやドリブルからチャンスメーク、フィニッシュまでを世界トップレベルでこなし、世界最優秀選手賞も獲得している。



このメンバーを見てわかることが数個ある。

一つは非常に選手の高齢化が進んでいることだ。主力選手の内、30歳以上の選手はピテ、アリバ、ブスケット、ピャナック、ビザル、ラキティックの6人もおり、特に中盤の世代交代が手付かずだ。

さらに、選手層が薄い。かたやマドリードは出場機会の劇的な争いが予想されるのに対して、こちらは中盤以外のポジションはほぼ控え選手がおらず、控え選手がいたとしても評価能力値はがくっと落ちて80程度の選手になってしまう。

たかが評価ではあるので低いからダメというわけではないのだが、どちらにせよ秀徹らの主力には明らかに見劣りすることは事実である。昔のレッズよりも深刻な人材難だ。



〜〜〜〜〜



秀徹の入団セレモニーには多くのバルサファンが駆けつけた。ここ数年、バルサは大型補強にほとんど失敗している。上手くいったのはヤングの移籍ぐらいだ。

そのため、秀徹の移籍は懐疑的に見られることはないが、これで結果として失敗だったならばバルサの信用は失墜する。いわば彼らにとって最後のチャンスである。



以前のバルサは世界最高の選手の一人であるメーシュの言いなりとなっていた。彼が圧倒的な実力を持っており、バルサの下部組織出身ということもあり強力な発言権を有していたのだ。

もちろん、クラブにおいて一人の選手の権限が強まることは良いことではないが、特にネイワールが抜けてからのバルサの迷走期にはそのメーシュの存在感に助けられた節もある。悪いことばかりではなかった。


その点、秀徹はメーシュとは違い明るくて社交的だがあまり自己主張はしない。どちらが良いとかではなく、チームを引っ張る人間としてタイプが大きく異なる。


入団後、秀徹はピテにかなり嫌な顔をされたのが印象的だった。もちろん秀徹が今まで再三に渡ってバルサを苦しめ、チャンピオンズリーグで何度もバルサを台無しにさせた人物であることも起因するだろうが、秀徹がメーシュの代わりになるというのを認めたくないなもあるだろう。

秀徹とプレーして彼に魅せられる選手は多い。レッズの頃だと、サリーやマニャ、デークなどはインタビューなどでは秀徹こそが最高だと語っていたり、ユーヴェ時代だとローガンやリヒトが共闘した中で最高だったと褒め称えている。

同様に、メーシュも共闘したほぼ全ての選手が彼こそ最高だと称えており、信者化する人も多い。ピテも昔から彼を知っているので、秀徹を簡単には認められないのだろう。

だが、秀徹にとって最初は認められないというのは日常茶飯事。それでも最終的に惜しまれながらチームを去ってきた。今回もそうなれると信じている。



バルサの中で仲良くなったのはグレーズマン、ビザル、ファビオ、ヤングなどだ。ヤングとは彼の同郷の友人でもあるリヒトの話で盛り上がり、ファビオとは久木の話題から仲良くなった。ビザルとはユーヴェの話で盛り上がった。彼は元ユーヴェの選手だ。また、元々仲の良かったコウケーニョともよく話している。

このメンツを見て気付くかもしれないが、ファビオ以外は全員外部から移籍してきた選手たちで、まだバルサに来て5年以内の選手たちだ。逆に5年以上バルサにいるブスケットやピテらは少し彼と距離を置いている。言っては悪いが閉鎖的だなあと秀徹としても思う。

マドリードに行こうとしていた選手が、会長に請われて高い移籍金と年俸を出されて移籍してきたのを笑って歓迎できる選手の方が少ないのかもしれないが…。それにしてもひどい対応だ。



入団後のとある日、いつも通り居残り練習をしていると、コウケーニョもそれに参加している。彼が居残りで練習することなんてレッズ時代にもなかったのに、どういう風の吹き回しだろうかとは気になったが、その意図は練習後にわかった。


「ようシュウト。お前練習が終わった後にこんなきついことしてるんだな。お前が上手い理由(ワケ)がわかった気がするよ。」


コウケーニョは語りかけてきて、秀徹の隣にボールを置いてその上に座り込み、


「ちょっと…、いいか?」


と、さらにコウケーニョは続ける。秀徹も無言で座り込んで彼の言葉に耳を傾けた。


「俺はレッズが上向きの状態だったときに移籍しちまった。今でも後悔してるんだ。

バルサは俺に相当な期待をしてたし、移籍金もたんまり積んでた。あの時は俺も何も考えずに憧れのバルサだからってオファーを受け入れちまった。」


秀徹がふとコウケーニョを見ると、悲哀の表情を浮かべている。確かに彼のバルサでのキャリアは悲惨だった。


「正直に言えば、俺には2億€の価値がなかったんだと思う。もちろんバルサ側の起用法については物申したいことが多々あったけど、それを差し引いても俺にはネイワールの代役としてプレーすることは不可能だったと思ってる。」


そんなことはない、と秀徹は言えなかった。だが、コウケーニョは笑って、


「でもな、これからは俺は俺としてプレーしていきたいと思ってる。シュウト、お前もメーシュの代わりじゃない、お前としてプレーしてくれ。無理に背負わなくていい。」


と続けた。秀徹の中には当然ながらメーシュの代わりになるんだというプレッシャーもあったのだが、それも吹き飛んでいくように思えた。



高橋秀徹


所属 バルサシティ

市場価値:3億2000万€

今シーズンの成績:49試合、40ゴール、28アシスト

総合成績:245試合、200ゴール、98アシスト

代表成績:30試合、23ゴール、9アシスト

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