1000回ネットを揺らす男
龍撃槍
トライアウト前編
世界で最も人気のあるスポーツであるサッカー。日本でも勿論絶大な人気を誇る。
世界では時代を牽引する選手があちこちで生まれており、彼らがサッカーの最先端を走っていく。過去にはペル、マラドゥー、クライン、ベッケルバウアー、ジドン、ロドリジーニョなどがいた。現在ではレオ・メーシュやクリストファー・ローガンらがそれに当たるだろう。
では、日本ではどうだろうか。そのような時代を象徴するような選手を生み出せただろうか。
確かにそれに肉薄した選手はいた。イタリアで活躍した中口、ドイツでリーグ優勝も経験した香取などがその良い例だ。
しかし、例えば世界最優秀選手賞を取れるような選手、あるいはそれを争えるような選手は未だ出てきていない。この物語はそんな日本から二人の英雄が出てくるようなお話。
〜〜〜〜〜
「おい、秀徹(しゅうと)!サッカーするぞ!」
とある父親はそう言って自身の2歳の息子を庭へと連れ出す。郊外にあるこの家の庭は広く、小規模なミニゲームも出来そうな広さがある。
「あう、あう!ぼーる!」
呼ばれた秀徹は拙いながらも言葉を発して大好きな父親の元へとよちよち歩きで向かう。
「お前は世界一のサッカープレイヤーになるんだぞ。」
そう言って父親は秀徹を持ち上げる。彼はここから徹底的なサッカー教育を始めるのだった。
秀徹が5歳になる頃にはその天性の才能を発揮し始め、リフティングやドリブルのコツを掴み始め、7歳になる頃にはボールコントロールを卒無くこなすようになり、10歳になる頃には時折父親にすらデュエルで勝利するほどとなった。
ただ、父親は頑固に彼をサッカー教室や部活などに入れず、自分の元で彼にサッカーを教え続けた。秀徹は秀徹でひたすら父親の元で平日は4時間、休日は8時間、みっちりとサッカー漬けの日々をおくった。
学校でのサッカーの授業はサッカー部の部員すら彼にはほぼ手も足も出ずの状態。その様子を見た教師は、
「お父さん、やはり彼にはサッカーという道もあります。あなたもおわかりのはずです。サッカー部に入れてあげてくれませんか?」
と言うのだが、父親はやはり頑なに入れず秀徹もそれを望まなかった。
その後も二人だけでドリブル、シュート、ボールコントロール、ディフェンスなどをトレーニングし続けた。元々の才能も相まってその結果、彼のテクニックは彼の年の選手の中ではトップレベルにまで引き上げられたことは言うまでもない。
彼がいるところにいたならば、U15の日本代表だったりに選ばれていただろう。
そんなサッカー漬けの日々を送っていた秀徹だったが、16歳になったある日彼に事件が訪れる。母に父が倒れたと伝えられたのだ。
「えっ、父さんが倒れた?」
「ええ…、実はあなたには言っていなかったけれどもお父さんは末期のガンで…。」
「そ、そんな…。」
「私は止めたんだけど、それでもお父さんはあなたと一緒に最後までサッカーがしたいって聞かなくて。もう長くないわ。」
秀徹の目の前は真っ暗になる。ここまでの人生で彼が最も共に時間を過ごし、サッカーする喜びを共有した人物がこの世から消えかけている現実を簡単には受け入れられなかった。
家でその知らせを受け、彼の父がいる病院まで秀徹は色々なことを考え続けた。父がもしいなくなったらどうしようかと。彼自身、自分の技術力を疑ってはいなかったが、もしサッカーで飯を食おうというのならば比較対象が欲しい。が、彼は父と毎日研究しているサッカー選手の映像しか知らなかった。自分の実力ではもしかしたら通用しないのではないかと考えると震えが止まらなかったのだ。
病院に到着し、重い足で何とか病室まで赴き、やっとの思いで父親と会う。個室にいた彼の父は窓際に置かれたサッカーボールを見ていた。
「秀徹…。」
「父さん、何でこんなことに…!」
秀徹は父の姿を見た瞬間、涙を流しながらそう叫んだ。父はそれに優しく応じ、こう続けた。
「俺はお前にどうしても最高の選手になってほしかった。薄々感づいてはいるかもしれないが、俺自身、実はサッカー選手だったんだ。それなりに活躍したつもりだったし、代表にも呼ばれた。だが、限界に気付いたんだ。世界に挑もうとしたが、足らない実力が、未熟な経験がそれを阻害した。特にドリブルとかシュートといった個人技で海外の選手に圧倒的に劣っていたんだ。」
悔しそうな父の表情に秀徹は涙が止まらなくなった。
「だからな、俺は息子にはそれを身につけてほしかった。でも日本のクラブチームなどのチームではチームとしての動きが重視される。それも勿論重要だが、あくまでも個人あっての全体だ。そこを履き違えている日本のクラブチームには入れたくなかったんだ。」
幼少の頃から父を信頼して彼の指導に完全に乗っかって今まで二人で練習していたが、その二人だけでの練習にこんな意味があったのかと秀徹は気付く。彼にも部活やクラブチームに入りたいと思っていた時期があったが、普段は寡黙で優しい父に猛反対されやむなく断念した。その反対にも理由があったのだ。
そして、最後に彼の父は、
「秀徹、お前は世界で活躍する素質を持って生まれ、それを伸ばすトレーニングを受けた。今まで俺以外とまともにサッカーして来なかっただろうからお前の立ち位置をお前自身が把握してないし不安だろう。
でも、大丈夫だ。間違いなく今お前は同い年のプレイヤーの中でもトップレベルのサッカーが出来る。俺はこの命を削ってでも、末期のガンになったとわかっても最後までお前とサッカーしていたかったし、伝えられることを全て伝えたかった。
でも、それを活かすも殺すもこれからのお前の努力と運次第だ。…お前のこの先に幸あれ。」
と言うと、おもむろに拳を突き出した。秀徹は涙に濡れて悪くなった視界の端にそれを見つけ、何とか拳を突き返した。秀徹はまさに父が命を賭けて生み出した作品だったのだ。その重圧や父の思いは秀徹に涙を流させた。
秀徹はその日はそれ以上話すことが出来なかった。そんな彼を父も日が暮れるまで黙って見守った。
翌朝、父は危篤状態となってまともに話せなくなり、その日中に命を終えた。最後の最後まで彼は秀徹の成功を祈っていた。
秀徹は当然ながら父の死を悲しみ、二度とサッカーを共にすることが出来ないことを嘆いた。だが一方で、同時に彼は改めてサッカーで上へとのし上がってやろうという決意も固めることができた。
そして、母にこう申し入れた。
「母さん、俺はお父さんの言うとおり外国でサッカーをしたい。だから、ドイツに行かせてほしい。」
彼の母も少し動揺したが、彼の父が秀徹の実力を力説していたことや彼には海外で活躍する選手になってほしくそのサポートをしてほしいと頼まれたこと、また実際に母自身が自分の目で見て感じた秀徹の才能などを鑑みると、否定することはできなかった。
「ええ、いいわよ。それがお父さんの願いだもんね。お金はお父さんが遺してくれたから気にしなくていいから、思い切りやって来なさい!」
こうして彼の海外行きが決定した。
〜〜〜〜〜
2015年、5月下旬ー。高橋秀徹はドイツ・シュトゥットガルトに降り立った。勿論学校は退学し、背水の陣で挑む。
ここに来た目的はシュトゥットガルトFCという、ドイツ1部リーグであるブンデスリーガに所属するクラブのトライアウトを受けに来たのだ。トライアウトというのは入団テストのようなもので、シュトゥットガルトFCにはそれの枠が広く、トライアウトを引き抜かれてから有名になった選手が何人もいる。秀徹もそれを狙う。
そんなことはさておき、まずは少しひんやりとした5月の風を受けながら、秀徹はシュトゥットガルトの景色を楽しむ。
(ここがシュトゥットガルト…。なんだか日本を出た感じがするなぁ。全然日本と違うや。)
彼は兵庫県育ち。郊外とは言え、大都市神戸の近辺に住んでいた。その神戸と比べればシュトゥットガルトは少々規模が小さく見える。実際のところ、人口は60万人。神戸に比べれば半分以下である。
景色を楽しみながらタクシーで滞在予定のビジネスホテルへと向かう。とりあえず滞在する期間は2週間。これがもし不合格になったら、今度は他にもトライアウトが開催されるベルギーに向かう予定だ。
(まあ、でももちろんドイツの方がサッカーするには良い環境だし、シュトゥットガルトFCに入団したいなぁ。)
シュトゥットガルトFCは2013年まで日本人選手の岡田選手も所属していたチームで、先程言ったようにブンデスリーガ(ドイツ一部リーグ)に所属している。まあ強さは中堅から下位ほどだが、ブンデスリーガでプレーできるというのが魅力的だ。
ブンデスリーガは世界でスペインのラ・リーガ、イングランドのプレミア・リーグ、イタリアのセリエAに次ぐ第四のサッカーリーグだ。強豪であるミュンヘンシティ、ドルトFCなどが所属し、世界トップレベルのサッカーが味わえる。
そんな環境に身を置きたい秀徹としてはぜひ合格したい今回のトライアウト。ホテルに着いた秀徹は早速日本から持ち込んだボールを抱えて近くの公園へと立ち寄った。
ここはかなり広い公園で、十分にドリブルもできそうだ。さらに、日が暮れかけている公園には他に、かなり長身で壮年の男性がベンチに座っているのみで邪魔になるものは何もなかった。
まずは体のストレッチをし、それが終わると早速ボールを蹴り始める。ボールが地にバウンドすると、その場で軽く止めてシザース (ボールの周りを、シザースを行う足から見て外回りに足を回し、フェイントをかける基本的な技、連続して使うことがある)をしながら前進していく。
何万回としてきたこのシザースはなめらかで見ていて動きに無駄や不自然さが一切無かった。さらにそこからエッジターン (右から左へする場合は、右足のかかとまたはインサイドで左足の後ろを通して方向転換する技)を右から左へと行い、エッジターンで転がったボールを素早く足元に収め、ダブルタッチやエラシコなどを練習する。
この公園でただ一人の観客であったベンチに座った男は、目の前でたった今来た東洋生まれらしき少年のサッカーの虜になる。一人のサッカーファンとして、様々な選手のドリブルを見てきたつもりだったが、そのドリブルは滑らかさやスピード、キレ、精度などから、数分見ただけで今までにないレベルだと確信する。
特に、反動の大きいエッジターンの反動を見たこともない程に小さく抑え込み、そこからも華麗に様々な技を繰り出すことに驚きを隠せなかった。
30分後、ぶっ通しでドリブルを続けた秀徹も疲れてきたのか一旦その場に座り込むと、長身の男は堪らず彼に話しかけに行った。
「やあ、英語は話せるかい?」
急に話しかけられた秀徹はびっくりしたが、唯一父に勧められて真剣に勉強した英語でそれに返す。
「ええ、話せます。何か御用ですか?」
「いや、僕はサッカーの関連の仕事をしている者なんだけど、君の今のプレーがあまりにも凄かったからちょっと話してみたくてね。君はこの街に最近来たのかい?」
「はい、実は日本から今日着いたところで、5日後のシュトゥットガルトFCのトライアウトを受けようと思ってます。」
そう返しながら、秀徹は長身の男の容姿を確認する。彼は丸眼鏡をかけた190cm以上ある大男で、マスクをしていて鼻と口は見えないが、顎から髭が見える。
「そうか、シュトゥットガルトのトライアウトをね…。わかった。明日以降もこの時間に来れば君を見られるかな?ぜひ見たいんだ。」
その男はそう言う。「わかった」というフレーズが引っかかりつつも、
「はい、多分一日のほとんどはここにいると思いますが、この時間にも練習していますね。」
と答えると、男は嬉しそうに、また会おうと言って去っていった。
それからトライアウトの日まで、その男は毎日同じ時間に30分ほど秀徹の練習を見ていった。秀徹は男を存在を少し不気味に思いながらも誰かに見られながらサッカーするのも身が引き締まるなあとか思いながら練習に励んだ。
〜〜〜〜〜
5月下旬の某日ー。晴天の中ついにシュトゥットガルトFCのトライアウト開催日。このトライアウトは一種の若手の登竜門となっており、各地から無所属だが有望な若手が勢揃いしている。秀徹もその一人だ。
「おい、お前どう思う?今年はどいつが良さそうなんだ?」
テストの監督のトニーが、特にトライアウトを受けに来る若手の情報などを収集するマニアであるシュバインに尋ねる。
「んー、あのドレッドヘアのフランス人の16歳のネビルとか、ドイツの至宝とも呼ばれる小柄なあの金髪のラファエルとか、後は193cmの大型ミッドフィルダーのジョンとかかな。」
彼らはいずれも新聞や雑誌などといったメディアに取り上げられたことがある程の選手たちで、ステップアップのために所属するチームを辞めたりしてこのトライアウトに来ている。
トライアウトでの入団の枠は精々4枠ほど。熾烈な争いが予想される。
まず、初日はトライアウト参加者の絞り込みを兼ねた軽い身体能力検査だ。100m走、1500m走、リフティング、キック力検査をして、最低基準に満たない者の足切りをしていく。また、これらは本来のサッカーと直接関連はしないが、飛び抜けて優秀な成績を残せば加点もされる。
今回のトライアウト参加者は全部で70人。中々の規模での開催となる。開会の宣言が行われると、100m走の計測がスタートされた。
2人ずつ走る100m走を参加者や観客は険しい表情で見つめる。ちなみにトライアウトの観客には他クラブのスカウトも紛れ込んでおり、シュトゥットガルトFCに落ちた選手の中でも優秀な者がいた場合は、その獲得を画策しているのだ。
テストでは10人ほど走って平均タイムは12秒後半ほど。最も速い選手で12秒。そんな中でついに先程紹介されたラファエルが走る。
「おっ、ついにスピードスターだって言ってた奴が走るのか。」
トニーとシュバインもそれを見守る。そんな中で走ったラファエルのタイムはなんと11.4秒。プロの中でも俊足として通用する速さだ。
「あんな速いやつ中々いないな、あれでほんとにテクニックがあれば獲得間違いなしだな。」
そして、そんな感想を述べている中で、ついに秀徹が走る番が回ってきた。
「あのアジア人誰だ?お前知ってるか?」
「いや、知らない。俺もヨーロッパ圏外の選手は全く無知だからなぁ。有名な選手なのかもしれん。」
二人は物珍しげに秀徹を注視する。俊足のラファエルの後じゃやりにくいだろうなあなんて同情の気持ちすらその視線には込められていた。
「ピー、パンッ!」
ホイッスルで構え、銃声で走り出した秀徹に観客は皆唖然とする。異常な走り出しの速さ、その異常さを凌駕するほどのトップスピードでのスピード、そしてそれを持続させる姿勢、体幹。どれも見事な走りを見せ、結果は11秒ジャスト。スピードスターが霞むほどのスピードだった。
「おいおい、とんでもない奴がいるじゃねえか。どうなってんだよ、あれ。」
トニーは思わず秀徹を指さしてそう言う。ただ、いくら速いと言っても、速いだけでは活躍できない。
「ま…まあ、まだ彼のサッカーを見ないと何とも言えないよね。正直、あれだけ速いユースは中々いないけど、とは言え0ではないわけだから。」
シュバインは推していた選手たちを半ば擁護するような形でトニーをなだめる。確かに速いだけならば陸上選手でもいいわけなのだが…。
その後滞りなく100m走、及びその他競技のテストは進んだ。秀徹は100m走ではトップの11秒。1500mでは4分30秒の好タイムを出してトップ5に入った。リフティングでも足切りラインとなる100回を余裕でクリアし、最後のキック力のテストへと移った。
キック力のテストではキック力とともにキック精度も試すもので、ペナルティエリア外からゴールへとシュートを放つ。3回勝負だ。
ゴールを守るのは、シュトゥットガルトの守護神を務める192cmもある長身GKウルラだ。
実力のあるキーパーであり、シュートに自信がある選手でも中々決められない。
秀徹の前の番のシュバインが推していたラファエルは、どちらかと言えばドリブラーであり、シュートはあまり強さも精度も良くなく10人のテストが終わって未だゴールネットは揺れることがなかった。
「次、シュウト・タカハシ。」
先程から好タイムを出していた秀徹に会場中の視線が集まる。今日のテストの様子を見ていたウルラも、彼には特別な才能を感じていた。
ペナルティエリアから10mほど離れた場所にボールは置かれており、そこからテストを始める。秀徹は開始の合図とともにその場からシュートを放った。
「ビュンッ」
普通ならドリブルから始めて接近するところをいきなりシュートに入ったことに驚いたのもあり戸惑ったウルラだったが、0.2秒ほどで切り替えてシュートの軌道を読む。シュートは驚くべきほどのスピードで迫っており、低空飛行を続けていたボールはどんどん上へと上昇していく。
(なんだ、このまるでトミー・クロイスのようなシュートは…!)
クロイスというのは、去年ミュンヘンから世界的ビッグクラブであるクラブ・マドリードへと移籍した世界最高峰のMF(ミッドフィルダー)であり、2列目でボールを持ってそのまま打つ強力無比なロングシュートは常にGKを脅かしてきた。
このシュートは軌道もそれによく似ており、ボールはゴールへと到達する頃にはちょうどクロスバー (ゴールネットの上の部分の白い横棒のこと、縦棒がポスト)の少し下の高さまで上昇していた。
距離もあったことからコースは読めていたウルラはそれに飛び込んで何とかセーブしたが、そのシュートの威力を示すかのごとく、ウルラはゴールラインの内側へと軽く吹き飛ばされた。
「おいおい、リフティングの時から思ってたんだが、アイツやっぱりサッカーもめちゃくちゃ上手くないか?試合はまだだけど、俺はアイツとは絶対契約すべきだと思うな。」
トニーがそう言うと、流石にシュバインも同意せざるを得ない。
「うん…、あれは間違いなく逸材だよ。」
その後、秀徹は華麗な技ありドリブルでコート左から中央へとカットインし、左から右の対角を狙ったカーブシュートで一点をウルラからもぎ取り、さらに続く三回目では最初に止められたリベンジが如く、今回はペナルティエリアぎりぎりまで近づいてから思い切りアウトサイドシュートを放った。
シュートは中央から左のサイドネットに突き刺さる強烈な一撃となり、ウルラの手はそれを防ぐに至らなかった。
そのテストが終わると、会場中から拍手が巻き起こる。今までにこんなことは一度もなかった。それほどまでに東洋から来たこの少年のプレーは人々を魅了したのだ。
「ほら、あれは凄いでしょ?僕のやったことは外れてたかな?」
「いやいや、まさかここまでとは…。あなたは本当に目が利きますね。わざわざイングランドから来てよかった。」
観客席では、公園に居た長身の男とそれより若い少し小太りの男が秀徹を見て話していた。
「うむ、まあ彼を呼ぶかどうかは明日のゲームを見て判断すれば良いしね。」
「ええ、わかりました。クラップさん。」
トライアウト一日目のテストはこのシュートのテストで終わり、実際にゲーム形式でテストをするのは二日目となる明日になる。明日こそが秀徹にとっても正念場となるのだ。
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