君の手

私「君の手はきれいだよね」


缶ビールを持つ彼の手を見て、「ふ」と思った。


彼「・・・そう?かな・・・」


彼の部屋で肩を並べてソファーに座って飲みながらTVを見ていた。


私「うん、女の子の手みたいだもの・・・大きいけれど」


彼「・・・労働を知らない手だな」


彼の仕事は朝から夜中までPCの前に座っているらしい。


缶をもっていない手を取ってなでる


私「私は好きだよ」


彼「そういえば・・・異性の手を褒める人は欲求不満らしいね」


私「え?そうなの?」


彼「うん、昔そんな話を聞いたな・・・」


私「へ~?」


彼「その手に何をしてもらいたいって思った?」


私「え?」


彼「手をつなぎたいとか、頭をなでてほしいとか」


私「あ~なるほど」


彼「後はその手で愛されたいとかね」


私「・・・」(顔が赤くなるのが分かった)


彼からビールの缶を渡されて一口飲む。


缶をテーブルに置いてキスをする。


私「ビールの味」


彼「キスをする前に同じものを口にすると不快感がなくていいらしいよ」


私「・・・そ、だね」


また唇を重ねる。


私「その話って誰から聞いたの?」


彼「キスの?」


私「手の話」


彼「・・・昔・・・」


私「ん?昔の女?」


彼「いや、付き合ってはいない・・・高校の時の部活の先輩」


私「へ~手がきれいだっんだ」


彼「うん、そうだね」


私「美人?ふられたんだ?」


彼「まあ、そうだね、男に興味の無い人だったからね」


私「ははは、それは残念だったね」


彼の首に手を回す


私「ね、私の手は?」


彼「かわいいよ」


私「欲情してくれる?」


彼「そうだね」


私「そっか~うれしいよ」


彼「じゃあ、俺の欲求不満を満足させてもらえるかな?」


私「ずるい君が満足させてくれるんじゃないの?」


キスで口をふさがれた・・・

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