第4歩 持ち物わかんねえ
会社を辞めるのは超絶大変であることを知った。
何分初めてなもので、引き継ぎやら机の整理やら、今までで一番精神を使ったと思う。
もう退職は今回限りにしたいものだと、正直思った。
しかし、私のカバンの中にはチケットがある。
それを心の支えに残仕事をやりきり、晴れて円満退社。
私は旅支度を行うことにした。
支度を行うにしても約1ヶ月の旅。
何を持っていくのかが、まずわからない。
仕事柄、1つの建物を建てては、次の大地へ遊牧民のような転勤生活をしていたが。それが参考にならないことは初期段階でわかった。
私には情報が圧倒的に少ない。
そのため、本屋でガイドブックを読み漁り、インターネットでバックパッカーのブログを参考にし、わかった。
まず、バックパックが必要だ。
バックを持たずにバックパッカーは名乗れん。
どうせならカッコイイのが欲しい。
私は梅田に走った。
お洒落なお店が多種多様にあり、超便利。
約1ヶ月をともに過ごすものであるため、身に馴染むバックが良い。
スポーツ用品店から登山用品店を渡り歩き、過言ではないが百万個のバックを試着し、遂に見つけた。
否、私が選んだのではない。
バックが私を選んだのだ。
ミレー社製のKHUMBU45
最高にカッコイイ。
登山系の遭難対策の派手な色のバックが並ぶなか、そいつは渋く埋もれていた。黒ベースのシックな感じが大人びている。
2万5千円ぐらいと、やっぱり本格派のリュックサックは高いな。と思ったが、1番の必需品に金を渋る訳にはいかない。
数日を要した結果、バックパッカーの証明を入手した。
あとは、何が必要なのかわからなかった。
なので、生きる上で最低限必要な物をリスト化する。
パスポート、スマートフォン、地図、お金、、、
お金ってどうすればいいのだろうか。
1か月分のお金を持ち歩くのか?
そもそもヨーロッパの通貨ってなに?
謎は深まるばかりだった。
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