熱にうなされる
熱にうなされる。
熱帯夜のせいなのか、この時間のせいなのか、やきもきした精神状態のせいなのか、身体の不調が起こっているのか。
様々な理由が考えられる。しかし、考え事をしているとき、特にアイデアを必死に絞り出すような状態のとき、身体に熱がこもるのである。知恵熱と呼ばれるものだろうか。
何らかの目的を満たすために、人は構想の中に入っていく。状況を克服するためのアイデアを探し出すためだ。
入口から入ったはいいのだが、出口までの道のりをふらふらとした足取りで進むことになる。迷ってしまうと、チリチリとした感覚――近くにある、簡単にできるはずなのに、上手く段取りが運ばないという苛立ちがやってくる。
出口に到着できなければ、不快な熱を帯びたままで野宿をしなくてはならない。
服を脱いでもダメだし、叫んでもダメ、掻きむしっても解決しない。熱は身体の中に充満し、心を逆撫でる。
自棄になってしまいたくなる。出口に向かって真っすぐに突っ走ってみたらどうか。最短距離で進めば、数分でたどり着けるだろうと。それでうまくいった試しは、ほぼない。ガラス張りの壁に激突するか、足場がなくなって底へと落ちていくか。大抵状況はより悪化するようになっている。
自分が絡まっているのならば、一度ほぐすしかないのだ。力ずくで暴れてしまえば、より絡まって身動き一つ取れなくなるか、それとも糸が切れて、二度と元に戻らなくなるか。
今いる場所を理解することだ。次に周りの状況を把握する。
俯瞰してみれば、意外と大したことはないのかもしれないのだから。
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