現代のイカロス・テーシェルト
フランスのパリに、テーシェルトという若者がいた。
テーシェルトは洋服職人で、夜な夜な何かを作っていると周囲から噂されていた。
やがてテーシェルトは、一つの発明品を作り上げた。
それは、コウモリの翼の形をしたマント。
テーシェルトは、これを身にまとえば空を飛べると本気で信じ、エッフェル塔から飛んで見せると言い出した。
塔の所有者たちは、まあ冗談だろうと真面目に受け取らず、警察の許可があり、責任は全て自分自身にあるという署名さえあれば許可すると、テーシェルトに伝えた。
これに気をよくしたテーシェルトは、すぐさま警察へと事情を説明しにいった。
すると警察も、面白い冗談を言う若者だと真面目に受け取らず、エッフェル塔から飛び降りることを許可すると、テーシェルトに伝えた。
許可をもらったテーシェルトは喜び勇んで、
「今度、エッフェル塔から飛んで、コウモリのマントで空を飛びます!!」
と、世間に向かって喧伝した。
面白がったマスコミがそれを報じると、続々と応援者たちが増えていった。
そして、テーシェルトがエッフェル塔から飛び降りる日がやってきた。
テーシェルトっは自信満々に展望台に上り、マスコミや応援者たちが見守る中、勢いよく展望台から飛び降りた。
そして――――見事に死亡した。
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