暗殺者の兄――暗殺された者の息子
ハーバード大学に通う、ある学生が帰郷する途中の出来事だった。
その学生は汽車で帰郷していたのだが、駅で停車中に足を滑らせて車両の間に落下してしまった。
しかし、その場にいたある俳優が学生を引き上げ、なんとか事なきをえた。
感謝の言葉を述べながら、学生が俳優へと自己紹介をした。
「ありがとうございました。おかげで命拾いをいたしました。僕の名前は、ロバートリンカーンと申します」
「ははは、そうか。一応、僕は俳優をやっているのだが、どうやらそこまで世に名前を知られていないらしい。僕の名は、エドウィンブースさ」
和気あいあいとした空気で、その場はそれでおさまった。
そして、この出来事から二十日後。
ロバートとエドウィンは、心の底から驚愕した。
なぜなら、ロバートの父であるリンカーン大統領がエドウィンの弟から暗殺されてしまったのだ。
なんとも奇妙な偶然で、なんとも皮肉な話である。
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