　イギリスの著名な科学者の一人である、スミソニアン。

　科学者として優秀だからこそ著名なのはもちろんのこと、彼はまた科学者の中でもちょっと目のつけどころが変わっているところでも有名だった。

　そんな彼の研究の一つが、女性の涙の成分分析。含まれている数種の成分を発表し、学会にちょっとしたセンセーショナルを巻き起こした。

　だが、彼の名をもっとも知らしめたのは、彼の名を冠した博物館『スミソニアン博物館』であろう。

　ワシントンDCに存在する、広大なこの博物館は、彼の研究所も含まれている。

　総額にして相当な額だが、なんとスミソニアンの寄付と遺志によってつくられているのである。

　天才に商札はつけがたいとはいうが、天才の持ち物も、商札がつけがたいものらしい。

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