ニュートンの功績の期間


 イギリスの物理学者であり、数学者でもあるニュートンは、史上最大の科学者と称されている。

 万有引力をはじめとする、彼の様々な功績を鑑みれば、彼に対する評価は先に述べたように、史上最大の科学者といって遜色はないだろう。

 だが、ここで一つのちょっとした事実がある。

 それにはまず、ニュートンが何歳で亡くなったかを知る必要がある。

 彼は一六四二年に生まれ、一七二七年に亡くなったとされている。つまり、八十五歳の生涯であった。


 ニュートンの科学者としての業績は、一六九九年までにほぼなされているのである。つまり、五十七歳までが、彼の科学者としての全盛期であり、それ以降は全く違う職業についていたのである。

 その職業とは、造幣局長。

 造幣局長となってから、通貨制度の改良などで一仕事したものの、それから死ぬまでの間、科学に関することは何一つしていない。

 やるべきことを全部やってしまったのか、それとも科学に飽きたのか……それは、天国でリンゴをほおばっているニュートンにしかわからぬことだ。

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