詩人・レールモントフの悲劇


 ロシアの詩人であり、小説家でもあるレールモントフ。

 彼は、プーシキンが無意味な決闘で死を享受したことを嘆く詩を発表し、それで大きな名声を得た。


 しかし、その数年後――。


 レールモントフが、突如として逝去してしまったのである。

 人々は、レールモントフの早すぎる死を悲しみ、悲嘆にくれた。

 だが、レールモントフ逝去のニュースから数日経って、レールモントフがなぜ逝去したかという理由を知って、人々はレールモントフを軽蔑にするようになった。

 なぜなら、レールモントフは、自らの出世作の題材であったプーシキンの決闘以上に、もっと馬鹿馬鹿しい決闘によって無駄死にしたからだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る