とある作家志望のペット


 牧師の息子である、ターヒューンは、幼少の頃から作家になりたいと夢見ていた。

 作品を作るにはまずはインプットすべきだと、とにかくどんなことでも挑戦し、体験し、それらを小説の題材にして執筆するのだが、どうしてもうまくいかない。

 最後に、半ばヤケクソな心境で、自分のペットのコリー犬を題材にして執筆をしたところ、これが予想に反して世界中で大ヒット。


 ターヒューンの愛犬『ラッシー』は、世界中のお茶の間のアイドルとなったのだった。

 惜しむらくは、創作者であるターヒューンの名が、あまり浸透しなかったことだ。複雑な心境だったろう。

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