018.児戯ヰ星屑

 黒々とした墨の隅々まで行き届いたその黒の

 美しさなんて分からないのが常夜灯で

 サスケハナに乗ってきた白熱灯には

 もちろんその情緒が分かるはずはなくて

 元和偃武は遂に白刃に倒されてしまうのだけども

 そこからひねり出した英知の虚しさの露呈したのが廃仏毀釈で

 明らかにしんしんと降る華やかな雪の中をかきわけて

 ここまで来ても朝日のあたらぬ家がこの国なのです




※平成29年7月10日初出

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