可愛いとイケメンの遭遇

中野 拓斗《たくと》

第1話 イケメンの憂鬱

ガタンゴトンとやかましい電車の音。

吐き気がするほど込み合った、駅。

制服を上手く、着崩したJKの集団。

アニメキャラのパーカを着た小太りのおじさん。

スーツ姿でため息をつく、厚塗りのおばはん。

全くもって、普段通りの駅前通り。

その中で地味 に目立っている少年が1人

少年は…某有名アイドルグループにでも所属していそうな茶髪可愛い系イケメンが駅前の噴水オブジェの前で、あたふたしている。

周りの女性と男性の反応が綺麗に別れ、

女性の方からは「ねぇねぇ、ちょっとあそこの彼イケメン過ぎない!?めっちゃタイプなんだけど(笑)」とかいう黄色い声。

一方男性からは「何あたふたしちゃってんですかァ?僕可哀想アピールですかァ?」と妬みと嫌味の篭った黒い声

でもその少年はその2種類の呟きを気にも入らないようで、スマホで必死に道を調べている。

少年は心で

(なんで高校入学初日に、駅前で迷わなくちゃなんないんだよ!?はぁ?スマホのバッテリー切れ?!積んでんじゃん!駅からすぐ着くって言ってたやん!?)

と、顔に見合わずかなり荒れていた。


実はこの少年、隣の割と田舎な街から電車で通学している。

さらにこの少年、都会というものに入ったことも無ければ、近づいたこともない、いわゆる田舎っ子である。

しかも、スマホも、入学式前夜に緊張して、ずっと音楽をかけていた為。残り0%…

すなわち、この少年の人生最初で最後の高校入学式遅刻が確定した。



クソがあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ

          By可愛い系少年

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