輝夜さん…物理的にも重いです
鶴宮 諭弦
第一章 重い1年の始まり
プロローグ 重いです
「うへへ。待って下さいな、別に昔のように無理難題を押し付ける訳ではありませんから」
「僕はその昔を知らないんですけど!!!」
桜も散り、緑葉が木を染め始める時期。
夕日は沈み掛け、グランドから聞こえていた部活の声も遠くなる時間帯。
校舎には誰もおらず、既に下校時間のため電気もついていないので、太陽の沈む最後の
そして他の人の足音一つ聞こえぬ
起き上がろうにも、腹に感じる物理的な重さで押さえつけれているせいで起き上がれない。
何とか首だけを動かし、その物理的な重さの正体に目向ける。
重さの正体は一人の美少女であり、男子の体をまるで椅子であるかのように馬乗りで腰かけていた。
美少女に座って貰える。
人によってはご褒美に感じるかもしれないシチュエーションだが、今の男子には恐怖でしかない。
その理由は少女の表情にあった。
しかし、その目には
「さぁ! さぁ! 今一度私を……」
『記憶があることは必ずしも良いことだとは言い切れない』
現実逃避を選択した男子の耳には少女の言葉は遠ざかる。
最後に意識を飛ばそうとする
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