カーネーション

土嶺あきら

序幕


少年は問題児だった。

好奇心が旺盛で、

同じことを繰り返すのが嫌いで、

授業中はいつも関係ないことをしていた。



医者は少年の母親に言った。

「彼は普通の子とは違うようです。

 今の医学では正しく判断をつけるのは難しいですが、

 おそらく精神障害の一種でしょう。

 私どもの力では完璧な治療できません。

 申し訳ありません」



少年の母親は嘆いた。

「この子は普通にはなれないの?

 普通の幸せを得ることができないの?

 私はこの子に何をしてあげられるのだろう?」



少年は、天才だった。













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