全てを売る商人は猫と行く

にんげんさん

第1話 商人、猫を拾う

商人「あんたはこの品物に何を出せる?」

 商人は箱を差し出しながら言った。

魔王?「じゃあ  でお願いするわ」

商人「引き受けたよ、魔王様」

魔王?「...」

       …5年後

猫「にゃあ(どうしてこんなことになったかなぁ。)」

「にゃふぅ(それもこれも、全部あの商人が悪いんだあいつからあんなものを買ったからだ)」

猫は嘆いていた。猫と言っているが正確に言うと元魔王だ。

商人から、呪いの指輪を買い勇者一行につけてやろうとしたら、返り討ちにあいそのまま、つけられてしまい猫に変えられてしまったのだ。これを外すには解呪の杖を使うか高位の神官に解呪してもらう必要がある。

しかし、私は魔王なので後者は取れない理由としては魔王と分かったらそのまま神官に殺されかねないからだ。

おっと、身の上話をしているあいだに目的地についたあの男の店だ。

     「ヒグラシ移動商店」

かつて、私が呪いの指輪を買った店だ。

月1で別の町に移るという不思議な店なのだが最も不思議なのが、品物を置いていないのだ。

しかし、欲しいものを言うとすぐに出してくる。なんとも不思議な店だ。

「にゃお(入るぞ)」

商人「いいぞ」

「私の言っていることが分かるのか?」

商人「言語理解の指輪をつけているからな。」

「相変わらず何でももっているな。」

商人「何でもではないがな」

「...?まぁいい。突然で申し訳ないのだがどうか、私をここに置いてくれないだろうか?」

商人「悪いが解呪の杖はもってないぞ?」

「かまわぬ、ここに置いてくれ」

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