【逃亡】

「男性のミルクティの注文は珍しかったもので・・」


そう答えるカフェの店員はそれきり他に

おもいだすこともないようで

では と奥に戻っていく


ここからどう辿ろうか

特段目立つ男でもないから

それでも記憶の片鱗に残っていたのは稀で


この展開は彼が望んでいたものと

おおよそ違っていたことだろう


人は時に驚くべき局面に立ち

予想外の選択を迫られる


彼の逃亡という選択肢は

彼が追い詰められた故か


あの男はどこへ逃げていくのか

そのとき私はどうするのか


殺すのか?

殺されるのか?


その切羽詰まった選択そのものは

意外性以外のなにものでもないかもしれない


 <お題:意外性>


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