完璧少女才波さんを一から育て直したらギャルになりました。

@sugayamaka

プロローグ

ジャーーーーーーーーーーーーーーーーーー

浴室からシャワーの音が聞こえる……。

 朝日がシャワーに入っていることもすでに日課になっていた。

「あれからもう16年か色々あったな」

………本当に色々あった。そして、そのほとんどが大変だった。周りからあれこれ言われながらもよくここまでやって来れたと自分では思ってしまう。

「パパ~~上がったからお風呂入って良いよ~」

「分かった」

 この娘は朝日、もともとは俺の好きだった女の子だ。高校のある日を境に俺が一から育てるハメになっていた。だから今では俺の娘だ。

 何故だか分からんが、朝日はギャルになっていた。髪の毛は金髪でアクセサリやネイルが大好き、化粧はそこまで濃くはないがしている。スマホを見ている頻度が高く言葉遣いは俺には半分も理解できなかった。ギャル語というやつだろう。

(あれは…………本当に才波さんなのか?)

 俺の好きな才波朝日はこんな感じでは絶対にない。透き通った肌に艶やかな黒髪でスタイルがもっと良く、何よりも性格が優しくて素直な完璧少女だったはずだ…………。

 まさか、育て直したらギャルになるとは思わなかったな。性格が変わるのは分かる………

髪の色や化粧、アクセサリーもまだ分かる。

何故胸が小さくなる!?

(あれって遺伝子とかじゃないのかな?)

 才波さんは育ちがとても裕福だったのだろう。とても、高校も退学になりそうだった俺にはできないような幸せな生活がそこにはあったのだろう……。

 そんな切ないことを風呂で考えている俺がそこには居た。

(なぜだろう? あんなに見た目が変わっているのに俺は昔の才波さんも今の朝日も愛しく感じてしまう)

決して俺の好みのストライクゾーンが広いのではない。ましてや、娘をいやらしい目で見ていたわけでもない。

(やっぱり育ててると愛着がでてくるんだな)

俺はクスッと笑った。

 すべては高一のあの日から始まった……。

 








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