これは私が、本当の幸せを知る話
夜櫻 雅織
第1話 癒えぬ凍え
……寒い。寒い。寒い、寒い、寒い。
新しく命が芽吹く春なのにとても寒くて辛い。少しフラフラとしながらいつも通りギルドのカウンターへと足を向ける。
「あ、お帰りなさいませ、ルーシュ様。今回もお疲れ様です。」
『……ああ。これが採取クエストの品だ。討伐クエストの証明は……ギルドカードで良かったな?』
「ええ、大丈夫です。しかし、ルーシュ様。大変申し訳ないのですが討伐クエストの報酬のお渡しに少しお時間が……。」
『王都から此方にわざわざ回された依頼だ、仕方ない。それと……申し訳ないのだが3階の部屋を1つ貸してくれ。今回は少し疲れた。ここで休んでいく。』
「はい、勿論です!ご要望はございますか?」
『角部屋で頼む。風呂とベッドとトイレさえあれば後は何でも良い。』
「お食事のご要望も、ですか?」
『そこまで……してくれるのか。』
「勿論です。お怪我があれば医者も手配致しますが。」
『……そうだな、食事は任せる。医者は……是非とも頼む。恐らく風邪だとは思うが診てもらった方が此方も安心出来る。』
「畏まりました。これがお部屋の鍵になります。ごゆっくりどうぞ。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます