第39話 終戦ログ 4日目
【終戦ログ 4日目】
―――記録開始
こんばんは、レディア。ラグナロク。
2人が深い眠りに落ちてしまってから、とうとう4日が経ってしまったよ。
戦争が起きる前も、起きてからも、終わってからも、私が君達の為に出来る事は何1つないみたいだ。
ねぇラグナロク。
君が愛していると言った最愛のお姫様の体が、どんどん細くなっていくよ。
点滴と輸血、たまに心臓マッサージをしたり、酸素マスクなんかを着けてたっくさん対策をしてるのにまだ目覚める兆しすらないんだって。……あのまま、病衣が死に装束になってしまいそうで、酷く怖い。
それを、どうにかしてあげられない自分の無力さが、こんなにも憎いなんて。
それにね、とうとうサラマンダーに引き続いてイージスまでスリープ状態になってしまったよ。
毎日同じ時間に電源ランプを点滅させてくれるだけ、サラマンダーよりは良いのかな。ラグナロクと違って、目覚めない眠りに落ちた訳じゃないって少しだけ安心させてくれるから。……やっぱり、声が聴けるのが一番だと思うけどね。
……でも、本当に君達は凄いよ。感情なんて、AIには絶対に持つ事の出来ない超えられない壁だと思っていたのに。
嗚呼、戦闘用AIでも、医療用AIでもなく運搬用AIとして生まれたのが酷くもどかしくて、酷く恨めしい。
……ごめんね、ラグナロク。私が無力な所為で、多分レディアを死なせてしまう気がする。
私がもっと高性能なAIだったら、貴方達を救えたのかな。……ごめんね。ごめん、ごめんなさい、ごめんなさい……!
―――記録終了
【記録者:ノア】
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