第弐話【学校に来た転校生?!】

 6月7日

「オーイ幽兎!学校遅れるぞー」

「わかってる!今行くから、じっとそこで待ってやがれ!」

俺を呼んでるのはクラスメイトの透上暁斗とうがみ あきと、俺の住んでいるこの家から、2つ目の角を右に曲がって、突き当りの左手がアイツの家だ、ここから500mも離れてない。

大概アイツが俺を呼びに来る、まだ登校時間に30分も余裕があるというのに。

「幽兎!お弁当忘れてるよ!」

「あ!いけね、ありがと母さん、行ってきまーす」

「行ってらっしゃーい!」

「おっと、【FRUTフルタ】(府営鉄道乗り放題チケット)忘れるとこだった、行ってきまーす!」

俺たちが通う【京南府三十日区立波浮舞高等学校きょうなんふみとうかくりつなみふまいこうとうがっこう】は、ここから歩いて3分の駅【日和駅ひかずえき】から10分、電車に揺られ、橋を渡り【波浮駅なみうきえき】まで行く、そしてそこから徒歩5分で着く。

この世界のたちの悪いところと言えば、地理の違いだろう。

中途半端に日本と似てたりして間違えやすい、

国の名前は

日立ひたち】だし

首都は東京都じゃ無くて

西京都せいきょうと】だし

俺の住んでる場所は

京南府きょうなんふ

尾神名区おかなく

【小田羅町 《さたらちょう》3丁目】

【36番地4号】

なかなかに覚えるのが大変だった、新しいファンタジーの要素はすぐに飲み込めた、だけど元々あった知識を上書きするのは大変だったなー。

「テテンテンテン♪(放送メロディ)」

「7時46分発、普通、三十日港みとうかこう行きは、一番のりばから発車します。

電車は8両で到着します。

足元青色三角じるし1番から8番でお待ちください。」

「そろそろ来るな、」

「テテンテンテン♪(放送メロディ)」

「まもなく一番のりばに、7時46分発、普通、三十日港みとうかこう行きが、8両で、参ります。

危ないですから、ホームドアから下がってお待ちください。

一番のりばに電車が参ります、ご注意ください、ご注意ください。」

「テレテレテン♪テレテレテン♪…(接近メロディ)」

ガタンゴトンガタンゴトン!

列車がホームに滑り込んで来た。

グレーベースの車体に青いラインの入った列車だ。

「ピンポンピンポン(ドア開閉音)」

日和ひかず日和ひかずです。」

「一番のりばに到着の電車は、普通、三十日港みとうかこう行きです。」

「ピロピロピロピロ!(発車警告音)」

「ドアが閉まります、ドアが閉まります、ご注意ください。」

「ピンポンピンポン(ドア開閉音)」

電車に乗ってひと息ついた、この路線はサラリーマンというよりは、学生が主な乗客なので割と気が休まる。

その代わり学生さんたちでいつも混んでる

「次は天仁町てんじんちょう、次は天仁町てんじんちょうです」

「次は弘中ひろなか、次は弘中ひろなかです」

「次は波浮なみうき波浮なみうきです。

お出口は左側です。モノレール線、

HRエイチアール線(HyuganeRailwayヒューガネレールウェイ)はお乗り換えです。」

下車駅の波浮駅に付いた、駅からは路面電車、学都線がくとせんが出ていて、波浮舞なみふまい駅で降りれば、波浮舞なみふまい高校につく。


そういえば、今日は転校生が来るとか言ってたなどんな奴なんだろ。

先生が入ってきた。

「よーし、みんな席についてくれー、今日は、みんなに新しい仲間を紹介する、

雨子葵うずあおい

だみんな仲良くしてやってくれ」

富井とい県からきました、雨子葵うずあおいですよろしくお願いします。

僕の好きな色は、青色で、好きな言葉は、[のんきと見える人でも、心の底を叩いて見ると、どこか悲しい音がする。]です。」

彼はどうやら竜人らしい、長い耳と指が4本なのが特徴だ。

「そして、僕はここ最近で能力に目覚めました、その能力を今から見せようと思います。」

どんな能力なんだ?

彼は両腕を前に出した、すると

「チチチ…バチバチバチバチ!」

手と手の間に青い稲妻が走った

これが僕の【青い電気を起こす能力】です。

「おおーー!ぱちぱち!」

みんな拍手を送った

「よし、じゃあ、雨子君の席は……由栗のとなりが空いてるな、じゃあそこの席に座りなさい」

お、マジか

「やあ僕、葵、よろしく」

「俺は、幽兎よろしく」

「起立、礼!」


休み時間に入った。

「君ってウサギの耳が生えてるんだね、男だと珍しいよね、その耳って動かしたりできるの?」

「うん、できるよ…ピクピク」

「おおー」

「俺にも能力があるんだ、ちょっと見てて」

俺は消しゴムを取って思いっきりぶん投げた!

だけど消しゴムはゆっくりと進んでいく

「うわ!凄いねどうなってるの?」

「速度を落とす能力だよ」

「凄いね、これって触るとどうなるの?」

「さあ?わからない、じゃあ試しに触ってみる?」

「本気で言ってる?もちろん触るよ!」

彼はゆっくりと進んでいく消しゴムに指を当てた

「痛て!」

「大丈夫?!」

「うん、大丈夫、ただ凄いね鋭い ペチ!っていう痛みが、ゆっくりと来る不思議な感じだよ」

そうかそんな感じがするんだな…

「次は俺の番!俺は暁斗あきと、俺の能力は【すり抜ける能力】なんだ」

そういってアイツは何回か教室の壁を通り抜けてみせた。

「凄いね!その能力ってずっと発動させてたら地球の中に落ちていくのかな?」

「まぁ多分そうだろうね、怖いからやんないけど」

でも逆にいえば喧嘩になって殴られたりしてもすり抜けるから実質無敵じゃね?といつも思う。

「次は私!私!私は白野雪芽しろのゆきめみんなみたいに能力はないけど龍人りゅうじんなんだよ、だから少しだけ火が吐けるの!行くよー!見ててね」

彼女は腹いっぱいに空気を吸い込むと窓から顔を乗り出し一気に吐き出し炎を吐いた、何とも見事な業火が立ち上り辺り一面を真紅どころか白色に染めた。

「うぉ!ほぅ!スゲぇー!」

この学校は楕円形の校舎の真ん中に校庭がある造りになっているので全教室から炎が見えてしまう、みんなが飛び出して覗いてきた。

「すげぇー!」「熱っ!すげぇ!」「なんて火なの!」「一体誰が?」「なにしてんだ!」

!〈〈〈またお前か!〉〉!

〈〈〈いい加減にしろ!〉〉〉

「ゴメンなさーい!」

全く雪芽はいつもそうだ、能力が使えない変わりに大量の炎が吐ける、だからそれを自慢するんだ。

それでみんなから、よく怒られてる

「もしかしたら雪芽がこの学校で最強かもね…」

「ゴーン、ゴーン」

一時間目のチャイムが鳴った

この世界ではお寺の鐘がチャイムの音だ。

2回鳴ると始業、3回鳴れば終業、4回目鳴ると下校、5回鳴るのは非常事態の時、だったかな?。

小学校の時にみんな覚える。

休み時間を使って、葵に学校を案内した。

校舎は三階建で楕円形、東と西に先が向いてる。

3階は全学年の教室が設けられている。

2階は特別教室、東から順に音楽室1.2、理科室1.2、美術教室、技術教室1.2、家庭教室、外国語教室、視聴覚教室、コンピュータ教室、図書室、特別活動室、教育相談室、進路資料・指導室、など

一階は

職員用の部屋や会議室、保健室、あとは体育倉庫

それから昇降口は4つ東西南北に設けられていると同時にエレベーターが一機東側の昇降口に設けられている。

体育館は南側の昇降口から通路が伸びていてそこから入る。

運動場もある

テニスコートが一面。

プールは25m5コース水深1.5m

「こんな感じかな」

「ありがとうございました。

また分からないことがあったら聞いてもいいですか?」

「当たり前だろ、俺達はもう友達なんだから」

「ゴーン…ゴーン…ゴーン…ゴーン」

「下校の鐘だ、じゃあまた明日、明日は異能検査の日だから、体操着忘れないようにな。」

「うん。今日は一日ありがとう、じゃあね!」

「葵って、家はどこなの?」

「地下鉄の永川駅で降りてしばらくのところだよ」

「へー結構遠いんだね、途中まで一緒に帰ろうよ」

「うん!良いよ一緒に帰ろう!」

その後、弘中ひろなか駅で葵は乗り換えて、帰っていった。

明日は異能検査だ、能力がどれだけ成長したかを検査する、能力が成長するとランクが上がって周りに自慢できる。

能力ランクはこんな感じ

0.無能力

能力なし

1.能力

かすかに操作出来る程度

2.微能力

少し操作出来る程度

3.能力

物の動きを完全に操作出来る程度

一般人のほとんどはこのランク

4.異能力

周りに多大な影響を与えらる程度

5.超能力

体全体を変化させられる程度


俺はランク2だから3に上がってたらいいな…

Zzz…Zzz…



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る