塵芥


 道端にゴミが散乱している。



 普通ゴミの収集日、自宅の前のゴミ置き場に、数羽のカラスが屯していた。

 ゴミ袋は全て網で覆われていて、カラスは手を出せない。

 網の周りを歩き、物欲しげにゴミを見つめている。


 私たちにとって、それはゴミだが、私たちは、それを、カラスにとっての食物になるとわかっている。

 カラスにとって、それは食物だが、カラスは、それを、私たちにとっての何だと思っているのだろう。



 とある集合住宅前に、数羽のカラスが屯して、ゴミを漁っていた。

 ゴミ袋は網に覆われていない。


 カラスが食べずに放り出し、道端に散乱したそれは、私たちにとってゴミだが、カラスにとってもゴミなのだろう。

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