第15話 苦い思い出と復讐

中学生の時、俺には好きな人がいた。


その名は西条瑠璃。

彼女は友達のいない俺を気にかけてくれた。


隣の席の時は忘れた教科書を見せてくれたり、

休み時間の時はよく喋っていた。


クラスが変わっても、交流は続いた。


俺はそんな彼女が好きになるのに、時間は対してかからなかった。


とある日の放課後。

俺は決意し、西条に告白をしようと、彼女のクラスに赴いていた。───


「ねぇ?瑠璃っちてさ、なんであんなキモオタと絡んでるの?」


廊下から西条の友達と思われる声が聞こえて来た。

その内容は俺にも気になることだったので、壁にもたれかかって、聞き耳を立てる。


「んーただの遊びかな〜

あのキモイやつをからかうのがたのしーだけ。

第一、そんな理由以外あんなやつと絡む理由なくない?」


「………え?」


俺は信じられない真実につい、声を出してしまった。

生憎と周りには人っ子一人いなく、静かだったので、俺の声は西条に届いていた。


「誰かいんの?」


西条は聞いた事のないような声でこっちを呼んでいる。


俺はまだ現実を受け入れらないまま、

呼びかけに応じた。


「あの……その……さい……じょう……?」


俺は聞き間違いという可能性を信じて彼女の名を呼ぶ。


「あー聞いちゃったかー」


…………どうやら聞き間違いではないらしい。

その時、俺の中で何かが音を立てて崩れていく気がした。


「まぁ、あんたの聞いた通りだから。

私はね、そこら辺の底辺男子を弄んでこっぴどく振るのが好きなんだよね〜」


俺は何も考えられず、足が無意識に西条の方に歩いていく。


「うそ………だよな……?

やだな……今日はエイプリルフールじゃない……ぞ……?」


「はぁ…………」


彼女はまだ夢を見ていた俺を見て、ため息を吐き、

俺にこう一言放った。


「こっち来んなブス」


と。────






◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇






「黙れよっつたんだよ。このクソビッチが。」


低い声でそう俺は告げた。

あの時の仕返し………とまでは行かないが、

西条の顔を見ると、俺はイライラしていた。


「は?何言ってんの?」


……西条の被っていた猫が剥がれかけているな。


今はまだ、男たちを魅力する仮面を被って俺と対峙して睨みつけてくる。


「何って?それはお前が男を取っかえ引っ変えして弄んでる事を指してるだけだぞ?むしろそれ以外何があんだよ?」


この一言に周りの人たちは信じられないといった感じでざわつき始めた。


「マジで…??」

「あいつが勝手に言ってるだけじゃね?」

「でも、西条さんっていい噂は聞かないよね……」

「まさか本当に……?」


周りの声は次第に大きくなっていく。

みんなにも思うところはあったらしい。


あと一押し。

あと1歩であいつを墜せる。


「本当です!!!!」


周りの声を圧倒する1人の少女の声。

その声の主は、新聞部の七条さんだった。


「その人は、私の幼馴染を誑かして、弄んでいました!!!!私はこの人を許しません!!!!

だからいつかこの日が来ると思って、新聞部に入ったんです!!!!

あの人に罪を償わせるために!!!!」


彼女の目には、涙が溜まっていた。

その目を見れば誰も彼も真実だと理解できるだろう。─────


もう、この学校に彼女の居場所はもうない。


「空くん………本当なの?」


小柳さんが俺の袖をギュッと掴む。

不安そうな顔を浮かべて俺を見ていた。

俺は柔らかく微笑み返す。


「もしそうだとしたら……私は彼女を許さないわ。

私の大事な執事を傷つけたんだもの」


黒羽先輩は笑っていた。

でも目は笑っていなかった。


………ここだけの話、めっちゃ怖い。


「本当、胸糞悪いッスね……

どーせ、金を積めば簡単に股を開くようなクソビッチの考えることなんて分からないっス」


「コラ、五十嵐

女子がそんな事を言ってはいけません。失礼だろ?それに一応先輩だし………」


「にゃはは、先輩も人のこと言えないッスよ?」


俺と五十嵐は軽く西条をディスっていた。

そんな俺たちを見て、西条がよしとする訳もなく俺たちを怒鳴りつける。


「うるっさいわね!!!!!なに!!??

私が男で遊んじゃいけないって訳!?」


西条にはもう被っていた猫はもう居ない。


その態度に、周りの人達は軽蔑の目線を彼女に向けていた。


「なによ!!!!その目は!!!!私は可愛いの!!!!だから男が寄ってきてるだけなの!!!!私はそれで遊んでるだけ!!!!」


「確かにお前はルックスはいい。

言い寄る男どもも沢山いるだろう。でもな、

お前は中身がブサイク過ぎた。」


「ッ!!!!」


ドシドシと音を立てながら、西条が歩いてくる。


俺はそんな彼女にこう言った。




「こっち来んなブス」
















───────────


※作者からのただの雑談


今日は学校休みなので頑張って一日で書きました。


いやー最初の方に張った伏線が回収出来て気持ちよかったです!


自分的にはもう少し、西条にはクズっぽさを盛ろうとしてたんですけど……


案の定、俺の文才では無理でした。


ところで皆さん登場人物覚えてます?

俺はちょっとうろ覚えでした()


おい作者おれ


覚えてない人のために今までの名前持ち登場人物載せておきますねー


主人公、折本空おりもとそら

主人公の妹、折本桜おりもとさくら

主人公の父親、折本翼おりもとつばさ

1人目のヒロイン、小柳菜緒里こやなぎなおり

2人目のヒロイン、黒羽白くろばねましろ

3人目のヒロイン、五十嵐千冬いがらしちふゆ

4人目のヒロイン? 西条瑠璃さいじょうるり

新聞部、七条菜々美しちじょうななみ

なおりんの友人、双葉蘭ふたばらん

黒羽さんの傍付き、川原かわはらさん


あと2人ぐらいは追加しようかなと思っているので楽しみにしていて下さい。


是非、これからも「モテなかった(過去形)俺のラブコメディ。」をよろしくお願いします。

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