第4話 桜サイド
私、折本桜は現在お兄ちゃんとデートをしています。
今はお兄ちゃんは髪を切りに行っていて、私は洋服屋さんで色々服を見ています。
お兄ちゃんはイケメンなのできっとどんな服も似合いますよ。
それにしても、なんでお兄ちゃんはモテないのでしょうか……あんなイケメンなのに。
まぁこれでモテモテな学園生活が決定しました!
やったね!!お兄ちゃん!!
でも、嬉しいと同時にどこか寂しいですね。
はぁ……彼女が出来たら私に構ってくれなくなるのでしょうか……
「でも、お兄ちゃんが幸せになるのが1番だよね…」
そんな事を考えいると、もう切り終わっててもいい時間と思い、お兄ちゃんと待ち合わせている場所へ向かおうとしました。
「ねぇ、そこのお姉さん。俺らと遊ばない?」
「絶対楽しいよ?ご飯も奢るからさ!」
「めっちゃ可愛いんだけど、正直タイプだわ〜」
なんですか?この古典的なナンパ。もう少し他にないのでしょうか……でもまぁ、私には愛しのお兄ちゃんがいるのでどっちにしろ断りますけどね。
「すみません。待ち合わせている人がいるので。」
これで諦めてくれるでしょうか……
ナンパは何度もされた事はありますが、何度されてもやっぱり慣れませんね。
「そんなやつよりさ、俺たちの方がいいよ〜大丈夫。初めてなら優しくするからさ〜ね?一緒に行こうよ」
そんなやつ……
くっ……お兄ちゃんの事をバカにしたのは頂けませんが、ここは我慢です。
さっさとお兄ちゃんの所に行きましょう。
「迷惑ですので、ご遠慮ください。」
私がそのままその場を立ち去ろうとすると
「チッ……いいから来いよ!!ったく、ガキが……」
「きゃっ!」
金髪が私の腕を掴む。
流石に私の非力な腕力じゃ、男の人には抗えません。
「は、離して下さいっ!!」
私はネット見た、護身術の事を思い出しました。
確か、相手の手を噛んでから……
よし、復習完了。行ける。
「ガブッ!!」
噛み付いてしまった。でも悪いのは相手の方だ。
もっと力強く噛んでやる。
「痛ったっ!!このクソガキがっ!!」
金髪が手に噛み付いている私に殴りかかる。
私はすぐには動けず、もうすぐ殴られる。
痛いそうだな。血も出そうだ。
血……赤い、血……
お母さん……
私が目を瞑り、身構えているとどこからか声が聞こえました。私がとても大好きな声が。
「おい」
「は?」
お兄ちゃんが来てくれた。
そう思い、目を開けると寸での所で振り落とされる拳を掴み、相手を睨みつけるイケメンが居た。
………誰ですか?この人。
めっちゃカッコイイんですけど……
私の胸が高鳴る。
ああ、これが一目惚れってものですか……
「俺の大事な妹に手を出すとは……覚悟できてんだろうな。」
…………え、今『妹』って言った?
ま、え?うそ。え?
「お兄……ちゃん?」
「そうだ、俺がお前の自慢する空お兄ちゃんだ」
確かに私はお兄ちゃんがかっこいいという事は知っていました。でも、さすがに髪型ひとつでこんな変わるんなんて………
お兄ちゃんを誰にも渡したくなっちゃうじゃん…
「てめぇ、邪魔すんなよ」
「やめてっ!!」
お兄ちゃんが殴られそう。
やめて、お兄ちゃんを傷つけないで…
私の願いも虚しく、金髪がお兄ちゃんのお腹に殴りました。
「殴ったな?じゃあ正当防衛は成立するだろ。」
お兄ちゃんは全く効いてないと言わんばかりの余裕
そして、お返しのストレート。
金髪は重い一撃を喰らい、膝から倒れ込む。
「てめぇ、よくも!!」
三バカの1人がナイフを取り出す。
でもお兄ちゃんは臆することなく相手を見ていた。
「バーカ、そんなんでビビるかよ。」
お兄ちゃんが男がナイフを持っていた手を蹴る。
そして、ナイフは離れ男は前から倒れ込む。
その勢いと合わせてお兄ちゃんが放った拳がお腹にヒット。
男が気絶する。
三バカの最後の1人は逃げたらしい。
周りからは『すげぇ……』やら『やば、イケメンじゃん…』との声が上がる。
「はぁ……ビビったぁ……ナイフとかマジかよ。
それより、大丈夫か?桜?」
「うんっ!!お兄ちゃん!!」
つい、お兄ちゃんに抱きつきました。
「いっつ……」
「どうしたの!?」
お兄ちゃんが苦しそうな顔をしてました。
「さっきの腹パンが案外効いててな……
いたた……」
「よかった…私の飛び込みで痛がってる訳じゃないのね……。でも、」
私はそこでうずくまっている金髪を見ました。
「この金髪には再教育が必要。私の大事なお兄ちゃんを傷つけた。この世に生まれてきた事を後悔させる。
刑務所送りなんて、優しい事はさせない。
もっと痛めつけて、痛めつけて、人格から変わるほど痛めつける。よくも、お兄ちゃんに手を出したんだ。
これぐらいはしないと……ふふふふふ」
「おい、桜。ヤンデるな。」
お兄ちゃんにツッコミされてしまいました。
てへっ☆
でもね、お兄ちゃん。
もしかしたら、本気かもよ?
なーんてね。ふふふ。
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