セロリ×7(嘘の告白から始まる君の仕返しの話)

石水 灰

+0 嘘告から始まる物語

「あんたさぁ……自分が可愛いからって調子乗ってない?」

「そ、そんなことないですよ……。」


放課後の教室で、彼女はイジメられていた。理由はただ可愛いから、のようだ。


「嘘つくなっての!この前だって愛美まなみの彼氏を盗ろうとしたって聞いたよ!」

「そうよ、藍里あいり。この勘違い転校生は私のまーくんを盗ろうとしたのよ。あり得ないわ。」

「ち、違います……と、盗ろうとなんて思ってないです……。」

「あんたの意見は聞いてないの!」

「で、でも……」

「だから、聞いてないって言ってんじゃない!」


強い口調で責めるのは、クラスの女子グループのリーダーのようだ。

だがそこで、彼女たちは何か閃いたようだ。


「愛美、ちょっと待って。この子をまたいじめるよりは、あいつと一緒にしておいたほうがいいんじゃない?」

「……それもそうね。そしたらこいつには男も女も近寄らなくなるからね……。」

「って事で、あなたにはある人物に告白してもらおうかな。」

「そ、そんなひどいこと出来ませんよ……。」

「でも、してくれたら許しちゃうよ?それに、もうイジメないって約束するよ?」

「で、でも……」

「いいからやれって言ってんだろうが!」


そう言って愛美は転校生のことを蹴る。


「ご、ごめんなさい……告白するので許してください……。」


蹴られながらも転校生は謝り、告白する、と宣言した。


「あはは!言ったわね!じゃあ、明日の放課後にしなさいよ!そしたら許してあげるから!」

「そうね……明日、絶対に呼び出して告白しなさいよ。」

「わ、わかりました……。」


転校生は気乗りしていないが、言った。

これが始まりだった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

セロリ×7(嘘の告白から始まる君の仕返しの話) 石水 灰 @ca_oh21

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る