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じりじりと照りつける太陽を木の傘で遮りながら、雑草を踏みしめ進んでいく。木の密度が高いために道を選びながら進まないといけないと同時に、方向感覚も狂わされる。

テレアが海にでも行こう、と提案がきたとき、その近辺に遺跡群があっただろうということを思い出した。クロッスのおじさんが最近見つかったと教えてくれたのだ。

ところがどうだろう。木々ばかりが乱立していてそれらしいものは見つからない。位置こそ聞いていたが、遺跡と場所の特徴までは聞いていなかったのだ。

遺産の一つでも持って帰りたかったが、仕方がない。案内人がいないのだから深入りはよそう。まだ鈍っていない方向感覚を頼って来た道を戻り始める。


集合場所である荒れ地から出発するとき、てっきり徒歩か馬車かで向かうのかと思っていたが、テレアはこれを否定した。

「そんなんで行っとったら時間の無駄やろ」

にやりとした彼女を目にした瞬間、僕たちの景色が上方向へとスライドした。者たちはそのままに、陽は遠くなりあっという間に暗くなった。

何だと、テラーを除く全員が動揺していると、僕たちは土の中を球状にくりぬいた真っ暗な空間で顔を見合わせていたのだ。すぐにつくよ、と次に彼女が口にすると、空間が揺れ始め、地面以外の土が水のように動き出した。

ぱらぱらと落ちてくる土などから目を守りながら、少し。土が砂に変化し、地上へと吐き出された。

夏の海を見るのはいつぶりだろうか。まずはそんなことを考えた。

無人の大海原が広がっていて、眩しい日差しが遠くに見える。

「さ、少し休んだら自由行動や」

皆は酔ったのか膝をついたり、地面に伏せていた。僕は平気だったけど。

「帰りもあれやからな? だから体力だけは残しときよ」

無責任なドラゴンたちは波打ち寄せる浜辺に立ち、海水に撫でられた。


◆◆◆◆


市場では馬車というものがありますが、それを使わない移動手段といえば?と。

シェーシャトレムベニリアのように飛べるならいざ知らず、陸路民はどうしたらいいのでしょう?移動用の遺産は出土しそうですが、機械というのはパーツが増えるごとに壊れやすくなりますからね。

ここで登場するのが、岩を変形させるテレアさん。地面に移動用の岩・空間を作り出し、川流れの要領で移動してしまえばいいわけですね。

実用性は…保証できませんがね。

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