第13話 道具として生きるか、人格を持って生きるか
「こ、駒……?」
「何かを対価に、私と契約する気はないかと言っている。……そうだな、こういうのはどうだ。お前は私にその膨大な魔力と血に刻まれた知識を使った何かを提供しろ。」
ハイエルフは他の生物と違い、死んでいった者の知識と魔力、又は能力等を引き継ぎ、新たなハイエルフが生まれればそれを分かつ。
「その代わりに、私はお前に私の目の届く範囲内での自由をやる。服も、寝床も、食事も、全て。飢えず、誰にも奪われない自由をやろう。」
「!」
「先の私が与えてやる対価は駒で居る間、履行され続ける。更に、膨大な魔力と血に刻まれた知識を使った何かを提供してもらう訳だが、その質に応じて何かを与えてやろう。エルフの集落を滅ぼしたければそれと相応の対価を。私から解き放たれたいのならばそれ相応の対価を。」
「……そんな事、出来るのですか?」
「出来ない癖に大口を叩くような間抜けに見えるか?」
「……私の魔力と知識が使われた何か、で良いんですね?」
「ああ、結構。それだけでお前の命が保たれる。どうだ?」
「当然、それを作る為に必要な物資は「無論、支援してやろう。」
「……ハイエルフ、妖精の民が1人、ユルフ。貴方と、契約します。」
「契約、成立だな。」
嗚呼、全く以って恨みを持った者は種族関係なく良い目をする。
「分からない事があれば白蛇のシルアか悪魔のルイスに聞くと良い。私は、寝る。」
「寝……えっ!?」
「2人で応えられない用があれば起こして構わん。今日は……色々あって疲れた。」
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