ラスカード/Lascado
白塗りの蛍光灯が頭痛を引き起こす
重機の歯車が取れかかる
茜色と藤色がまじわった壁紙が
今も
冷たいガラスが暖かい視線を
遮って 反射して みえなくなる
黒塗りの
まわりはどんどん荒れていく
手と手はすごくこっちに伸びてきて
勘違いをぶちまけて終う
柔らかいアスファルトに呑まれて
冷ややかな温度計が昨日を指す
皿に置かれた刹那は
もう もう もう…
だから。
遡りつづける“ナニカ”を捜して
颯爽と束ねた いのちのカケラは誰かに殺された
無表情のアイコンは今も問う
「もっと もっと もう 頼られないか。」
液状にとろける。
塞いでしまった機能は明後日は
ずっと ずっと 沈んでいるだろうか
灰色の空気に潰されてどうしようもなくなる
シロクロの考えじゃ対立する
闇に紛れた透明な金平糖は
もうすぐ僕のてのひらの中
丑三つ時の風は西から運ぶ
いまだ明るい街灯の寂しい光を スマホのバッテリーを
腕に
痛々しく
声と視線が丁度良い具合で
歓喜と
哀と
不満と
嘲笑が
交じりあう
そうだ。
記憶を封じてどこにも行けない僕を
連れ出す人は 叱責を置き去りにする
とうの昔に棄てた感情は今問うた
「もうすぐ もうすぐ もう なくなる。」
なにかが交差する。
これで もう もう 消えることになってしまった
また鳥の夢を見た 藻搔いていた
未だ苦しんでいた
氷柱が空っぽの身体に突き刺さる
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