「「仲良しみたいだね」」
「なあ紗月! どうだったと思う?」
朝っぱらからほんとに元気だな……
「話くらいはできたか?」
初対面だしそのくらいできればいいほうだろう。
「付き合うことになったぞ!」
「ん!?」
いくらなんでも早すぎないか!? 両想いとは言え初対面だぞ!?
「ほんとなのか!?」
「ああ、告ろうとしたら告り返されてな! まさか先輩も俺のこと好きだったなんて夢みたいだぜ!」
「一応二人の気持ちは知っていたんだが早すぎないか?」
「恋ってそういうもんだからな」
うまくまとめやがったぞ、こいつ。
「ま、まあおめでとうな」
「おう! これから青春を謳歌してやるぜ!」
青春謳歌バカは放っておいてそろそろ帰るとするか。
「つっく、紗月! 買い物行こー!」
こいつ色々と隠す気ないだろ……
「いいけど、あんまり大きい声出すなよ…… 疑われたらどうする……」
「はいはーい、気を付けまーす」
ほんとに頼むぞ……
「「あ」」
未来と夜ご飯について熱く語っていると杏樹に出くわしてしまった。
「二人とも買い物? ほんと仲良いわね」
「あーちゃんも買い物?」
「そうよ、今晩はカレーなの」
「カレーだって!?」
俺は反応してしまった
「ほんとりゅーくんはカレーが好きなの変わらないのね」
その通りだ、雄二とカレーならカレーをとるくらいだ。 雄二ごめん。
「そんなに食べたいなら二人とも私の家来る?」
「え、いいのか?」
少し未来のほうから邪険なオーラがするが……
「まあ、いっか。 久しぶりに三人で話したいしね!」
未来も許してくれたみたいだ。
「じゃあ、お邪魔しようかな」
「「お邪魔しまーす!」」
「さ、紗月にいとみーちゃん?」
「久しぶりだな蘭ちゃん」
彼女は杏樹の妹の蘭ちゃんだ、確か今は中二だったかな?
「ひ、久しぶり…… 突然だね……」
「今日の夜ご飯がカレーと聞いてな」
「そ、そうなんだ」
あれ? 思ったより反応薄くない? もしかして嫌われた?
「三人とも待っててねー、すぐに作ってくるから」
「ありがとな杏樹」
「あ、私も手伝うー!」
おい、まて未来。 俺を一人にしないでくれ……
今どきの中学生と二人っきりとか気まずすぎるわ……
「ね、ねえ紗月にい。 みーちゃんと付き合ってるの?」
いきなりそれ聞きます!? もっと昔の話とかあるでしょ!?
しかも返答にすごい困るし……
「ま、まあ一応な」
「そうなんだ……」
なんで悲しそうなの!? 俺悪いこと言った!?
「あのね、たまにはお姉ちゃんのことも見といてほしいの……」
そういうことか……
「お姉ちゃんはたまに自分の意志で突っ走っちゃうから、無理をしないよう見といてくれないかな?」
「そういうことならまかせろ!」
確かに昔から杏樹は一人で突っ走るときがあるからな、心配な時はある。
「それにしても蘭ちゃん、大きくなったな」
そりゃそうだ、最後に会ったときは小学生三年生なんだからな。
「それを言ったら紗月にいも声全然違うよ?」
と、喉ぼとけをツンツンしてくる。 そうなのか、俺は結構声変わりしてないと思ってたんだがな。
「おまたせー」
「二人とも仲良くしてた?」
料理をしてくれた二人が戻ってきた。
「仲悪いように見えるか?」
「「仲良しみたいだね」」
おい、二人ともなんで不機嫌なんだよ……
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