幼馴染に押し倒されて同居することになりました
月猫
プロローグ
目の前の少女は俺を押し倒してこう言った。
「私からの一生のおねがいっ! どうか私と付き合って!」
ん? なぜこんなことになっているかって?
そんなもん俺が知るわけないだろ! 俺だって今の状況がわかってないんだぞ!
とりあえず落ち着け俺!
なぜこうなっている? なぜこんなアニメやゲームみたいな状況になっている?
と、とりあえず返事をしなきゃな! えーとこういう時は……
「ちょっと考えさせて……」
「やだ! 紗月がうんって言うまで絶対にどかないから!」
おいおいまじかよ最高かよ、と思いたいところだけどここは現実だ、そんな余裕は微塵もない。
「わ、わかったから! 付き合うからそこをどいてくれ!」
彼女はハッと馬乗りになっていることに気づき俺の体を解放する。
「ご、ごめんね。 でも付き合うって言ってくれてうれしい!」
言わせたんだろうが。
おっと自己紹介を忘れていた、俺の名前は開隆
女子みたいな名前だなと思った奴出てこい、説教してやる!
まあ、そこは置いといて俺は容姿そこそこ内面そこそこのキラキラ高校二年生である!
そして俺に告ってきた彼女は天野
俗に言う同級生幼馴染というわけだ。
てか俺なんで人物紹介とかしてんの? 告られておかしくなったのか?
急に空き教室に呼び出して告るとか夢の世界の話だぞ……
あ、もしかして夢か!
とか思いつつ家への帰路につきながら頬をつねってみた。
「ちょ、どうした紗月」
と友人の
「友人の雄二ってダジャレみたいだな」
「殴るぞ」
殴られた、痛かった。 どうやら現実らしい。
「ありがとう、目が覚めたよ」
「紗月ってМだったのか……友達やめていいか?」
「俺はМじゃねえ!」
「わかったから、そんなことよりお前今日はどうしたんだ?昼あたりからボーっとして」
「雄二怒るなよ、俺に彼女ができた」
「はあ!?それホントかよ!」
「ホントみたいなんだ……」
無言でまた殴られた、ってまたかよ!
「少しはおめでとうくらい言えよ!」
「おーめーでーとーう」
そんな鬼みたいな形相で言われても嬉しくなんかないぞ…
「で? 相手は?」
「未来」
「お前らやっとくっついたのかよ、俺も負けじと彼女つくらなくちゃなー」
「やっとって……」
「ずっとお似合いだと思ってたんだよ、まあ末永く爆発しやがれ! じゃあな」
そう言って雄二は家に入っていった。
さて俺も早く愛しの我が家に帰るか!
ちなみに俺の家はマンションの八階とそこそこいい家に住んでいる。
そんな心の癒しの家に扉を開けると
「おかえりなさいっ!」
そこにはいつもの家の玄関ではなく、未来が立っていた。
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