第6話

スポーツ観戦に明け暮れるふたり。


玲奈ちゃん。

「選手はこれしか出来ないので謎に思う。」


朱莉ちゃん。

「それ言ったら普通の人はなおさらでしょ。」


玲奈ちゃん。

「アイドルは人気商売だからどん引きしました。」


朱莉ちゃん。

「芸能人って江戸時代に確立したものでしょ。」

「大衆を喜ばせて利益を得るんだから。」

「悪く言わないであげて。」


玲奈ちゃん。

「SNSで意見を呟いて益があるのでしょうか。」

「先人の方が遥かに的確で及ばない。」


朱莉ちゃん。

「グルメに浸るも飢餓を思えば素晴らしい。」


玲奈ちゃん。

「良い所も良くない処もあって。」

「まあ微妙な文明ですな。」


朱莉ちゃん。

「絶望もあるかな。」

「実存主義。」

「私は宗教的な生き方を建てたい。」

「過度の空想に浸るのも。」

「そういった空想すべてを否定して。」

「世間の考えにすがり。」

「考えることを放棄するのも絶望。」


玲奈ちゃん。

「キルケゴールによると。」

「人は絶望するものだから気にするな。」

「とのことです。」


朱莉ちゃん。

「人生という単語に深い意味は無いって知ってたかな?」


玲奈ちゃん。

「人の一生としか辞書に書かれていませんよ。」


朱莉ちゃん。

「変に美化したり綺麗事で勝手な人生論を唱えて。」

「意味不明な暴説を言っているのでしょう。」


玲奈ちゃん。

「山あり谷ありとむかしから言われているのに。」


朱莉ちゃん。

「馬鹿に感化されてはいけない。」


玲奈ちゃん。

「そういうわけで。」

「人間は誤りが多いですよ。」

「わたくしは行く場所があります。」


一緒に出掛ける。


朱莉ちゃん。

「絶望とは死に至る病である。」

「死ぬことも生きることもできない板挟みに陥るものの。」

「宗教的実存・神様の前に独立者として立つ。」

「キルケゴールは悩みの人であった。」

「その悩んでいる対象は神であった。」


玲奈ちゃん。

「わたくしたちも悩んでいる対象は神様となった。」

「境内でうろちょろしてます。」


朱莉ちゃん。

「ちょっと好色に耽ってみたい。」


玲奈ちゃん。

「まずは安全に性欲に溺れられるように。」

「祈願しますか?」


朱莉ちゃん。

「神の前で、あれかこれか悩む。」

「神について悩む。」

「私はあれをすべきか。」

「これでいいのか。」


玲奈ちゃん。

「ただひとり。」

「青人草(被造物)として。」

「神の前で貴方について悩みます。」


神道には開祖がいません。


神話の時代から続いております。


日本書紀と古事記が神典であり。


厳格な教義はありません。


なので。


参拝しつつ。


試行錯誤です。


参拝を欠かしてはなりません。


神様と共に歩む道。


神様と共にあります。


安産の神様に参拝して。


少しいけない事に手を染めてみます。


同時に。


性的哲学として。


これからの事をふたり一緒に書き記しています。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る