第6話

河川敷。


野球グラウンド。


紗莉奈。

「ほとんどの家系が藤原氏ですし。」

「もう同士討ちはなしで?」


乃土香。

「誰かが支配権を握っていればいいのよ。」


千夏。

「無益な戦いになるくらいなら。」

「妥協したほうがいいと思いますよー?」


苺花。

「派閥も変化したし。」

「特に争う理由はないかな?」


美香。

「この前みたいに獲物の取り合いはあるかもしれないけれど。」

「意見は一致したよね。」


日葵。

「きちんと治めてくれればいいんですわ。」


3か月経過して。


いつの間にか。


それぞれ意見が一致して。


小競り合いが減っていました。


魔女の姦計は続いており。


最近。


アンヴォカシオン6という精鋭部隊が投入され。


魔法使いがふたり仕留めましたが。


まだ4人も潜伏しているのです。


日葵。

「落ち着いて話すの久しぶりですねぇ。」


あかね。

「あれ?前に戦っていた?」


すみれ。

「旧友なんです。」

「また獲物が増えましたが。」

「横取りはせんでくれ。」


日葵。

「それは時と場合ですよぉ。」

「では一緒にカフェでも?」


すみれ。

「いいわあ。」

「行こう行こう。」


のんびりとした日常。


でも。


アンヴォカシオン6が何回か敗北して。


この地を通過するとは思いませんでした。


どこかで戦闘があり。


けっこう忙しく動く緊急車両。


すみれ。

「もしかしてあの噂の連中やな?」


日葵。

「そうだったら。」

「良いお金になりそー。」


すみれ。

「でも相手の力量わからんで。」


あかね。

「戦ってみれば?」


すみれ。

「勝負ってのはな?」

「強いイコール勝てるじゃないんや。」

「結果がすべてなんやで。」

「油断したり侮るのは禁物の真剣勝負。」


日葵。

「せっかくの獲物ですし。」


すみれ。

「チャレンジする価値はあるで。」

「相手はけっこう名が知れた連中。」

「るんるん気分で討伐はできへんという意味やで?」


あかね。

「もし倒せたら?」


すみれ。

「そうやろー?」

「無策で攻撃しないことや。」

「敵の力も分からずに仕掛けることはできへん。」


あかね。

「なるほどー。」


すみれ。

「ちょっと陣形組んで歩くことにしようや。」

「ひまりが後ろ。」


日葵。

「わかったよ~。」


あかね。

「戦いを知る・・・かあ。」


喫茶店を出て。


しばらく歩いています。


路地裏で休憩している苺花ちゃん。


苺花。

「逃がしてもうた。」


アンヴォカシオン弐。

「さっきの借りは返す!」


苺花。

「うわっ!」


軽装鎧とマントの男が突撃してきました。


明らかに重たそうな棒を持っていて。


振り回してきます。


苺花はひらりと避けていく。


アンヴォカシオン弐。

「くっ!いつまで避ける!」


苺花。

「ちょっ!きゃっ!」


いつまでも攻撃が当たらない。


紗莉奈。

「そこまで。」


サイコキネシスで動きを止められたアンヴォカシオン弐。


アンヴォカシオン弐。

「うぐぐく!」


苺花。

「食らいなさい!」


苺花ちゃんのシャドーボール。


アンヴォカシオン弐に直撃。


アンヴォカシオン弐逃走。


苺花。

「あいつ!」


紗莉奈が半透明な誘導ブーメランを投げつけた。


アンヴォカシオン弐は棒で打ち払うも。


感電して辛くも逃げ延びる。


商店街にて。


すみれ。

「しまた。」

「メールフォルダいっぱいやん。」


あかね。

「わたしもだ。」

「最近いろんなことに熱中していて。」

「友達への返信忘れてた。」


すみれ。

「最近遊んでないなー。」


あかね。

「友情はどこへやら?」


日葵。

「友情の有無が友達の判定じゃないのぉ?」


すみれ。

「それはそうや。」


あかね。

「仕方がない。」

「帰ったらまとめて。」


この街では宝箱を使う遊びがあって。


誰かが宝箱を設置して。


隠し財宝的な遊びが流行っています。


不用品でも物の使い方で価値は決まるので。


キャラクターグッズをリサイクルショップで購入して。


入れてしまうのです。


誰でも取れるようになっていますよ。


すみれ。

「宝箱あった。」

「なんかのカード?」


あかね。

「サッカー日本代表。」

「むかしお菓子のオマケになっていたレアカード。」


すみれ。

「なんかいらへん。」

「そのままにしとこ。」


日葵。

「なんか変な奴が苺花ちゃんを襲撃したって。」

「メールが。」


すみれ。

「ならこっちにも来るで。」

「白昼堂々やな。」


あかね。

「トラップ張っておく?」


すみれ。

「確かに魔力の気配あるわ。」

「しばらくここで待ち伏せしようか?」


10分待機していたら。


アンヴォカシオン壱が来ましたが。


屋根伝いに去っていきました。


すみれ。

「あいつが噂の魔術師。」


あかね。

「中々の戦闘力がありそう。」


日葵。

「この街に来たんだ。」


すみれ。

「待って。」

「7時の方向。」

「あかねちゃん防御や。」


あかね。

「万全だよ。」


白い電撃を浴びせられますが。


周囲に設置していた魔石によって。


結界になっていたので。


無効化されます。


アンヴォカシオン弐。

「ちっ!」


日葵ちゃんが石を持ち出して。


手でこねて。


光の球にして空高く打ち上げました。


すみれ。

「黒炎弾!」


アンヴォカシオン弐。

「うわああ!」


アンヴォカシオン弐が跳ね飛ばされる。


ギリギリ防いだが。


壁に叩きつけられた。


日葵。

「シューティング・スターアタック!」


さっきの石がホーミングして。


アンヴォカシオン弐の頭に落ちてくる。


アンヴォカシオン弐必死になって回避運動をするも。


大爆発してアンヴォカシオン弐がまた吹き飛ばされた。


アンヴォカシオン弐逃げ出す。


味方の魔法使い。


女性陣が追跡していく。


アンヴォカシオン壱が死角から。


何か足元に撃ち込んでくる。


すみれ。

「回避!」


あかね。

「わっ!」


日葵。

「なんてこと。」


そのまま爆発するも。


ダメージなし。


そのまま遭遇戦に突入。


散開することに。


すみれ。

「この辺りは建物が複雑過ぎる。」

「それを知っていて仕掛けたんか。」


あかね。

「とりあいず防御しておけば大丈夫。」


日葵。

「出たとこ勝負。」


アンヴォカシオン壱があかねを発見。


攻撃体制に移るも。


直後にすみれに発見された。


すみれ。

「紅蓮燃焼高射砲!」


超スピードでスクリューのような射線を描いて。


火炎がアンヴォカシオン壱を大きく跳ね飛ばす。


アンヴォカシオン壱はさすがにダメージが大きい。


すみれ。

「ヒートハンドクラッシャー!」


炎を直接押し付ける攻撃。


アンヴォカシオン壱は受け止めるも。


ダメージが大きいので。


動きが鈍い。


距離をすぐに取るも。


アンヴォカシオン壱がナイフを投げつけてきて。


ホーミングしてくる。


すみれなんとか避けるも。


アンヴォカシオン壱が黒いオーラを纏って突進してくる。


日葵ちゃんのレーザーで打ち抜かれたアンヴォカシオン壱。


傷を負いながら。


必死に抵抗。


すみれ。

「終わり!?」


炎を一瞬で貯めて。


アンヴォカシオン壱の足元に爆発させて。


アンヴォカシオン壱がまた吹っ飛ばされてダウンする。


トドメに行くも。


粘着手榴弾を張り付けられたすみれちゃん。


あかねちゃんがすぐに剥がして。


10秒で起爆。


煙だらけの所を。


アンヴォカシオン壱が逃亡するが。


先回りして。


炎をエネルギー弾にして。


腹部に叩き込んで。


アンヴォカシオン壱を撃破。


アンヴォカシオン壱は戦闘不能。


すみれ。

「やったで。」


あかね。

「けっこうな強敵でした。」


日葵。

「遮蔽物さえなければもっと簡単だったかも。」


アンヴォカシオン壱はすぐに駆け付けた治安維持部隊に拘束される。


すみれちゃんは手柄を挙げたので。


実力者のひとりとして認められるようになりました。


お屋敷でお茶をするふたり。


すみれ。

「うち思ったよりやるほう?」


あかね。

「強いんだよ。」


すみれ。

「相手が弱いだけちゃう?」


学業が終了してからは。


自由課題なので。


きちんとやらないといけません。


でも。


それより獲物のほうを優先してしまう。


この地域の魔法少女。


今回は偶発的に発生した戦闘でしたが。


まだアンヴォカシオンは残っていますし。


どこに逃げるか分かりません。


動乱はまだ続くようです。

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