中国アニメはつまらない?魔道祖師・考

たおり

「魔道祖師」とは

①低予算で質の良い作品を作ることができる

②魅力的なストーリー

③人間の細かな心情を描く

④豊かな表現力

⑤単純な勧善懲悪に留まらない複雑な世界観


 これらは、「世界に誇るべき?」日本アニメの特徴として、よく挙げられるものだ(①に関しては、到底誇るべきものではないが)


 しかし、もし「潤沢に資金を投入して」②から⑤に至る要素を合わせ持つ作品を作ったらどうなるのだろう。


 「魔道祖師モーダオツーシィ」という作品がある。

 人気オンライン小説(現在見ることができなくなっている)が原作で、中国の大手動画サイトにて、2018年の夏から秋にかけて第一季が、2019年8月から第二季が配信され、現在、第三季制作中である。


 偶然、別の作品経由で知って、これを観るために、iPad整備品を購入し、地域制限をくぐり、課金してまで見ることになったのだから、我ながら、驚くべき入れ込みようだ。ただ、その甲斐はあった。 


 その後、公式がYouTubeで公開し、ファン有志による日本語字幕がつけられたので、以前に比べると、格段と視聴が楽になった。その後、YouTubeでは、2020年6月1日地域制限がかかり、日本から視聴できなくなってしまったが、6月12日、日本版(字幕および吹替え)のニュースが発表された。正式な日時や日本版の配役は、まだ未定である。


 舞台は、古代の中国を模した世界である。そこには、人々を脅かす鬼(この場合、死霊、ゾンビの類)や妖魔を退治する仙士と呼ばれる人々がいた。彼らは仙術を修めた者で、一種社会のエリート的存在で、人々の尊敬や憧れの対象であった。


 物語は、かつて邪道に走り、悪名をとどろかせた夷陵老祖(イーリンラオズ)こと魏無羨(ウェイ・ウーシェン)が、死後十三年を経て、転生した所から始まる。彼は、ある青年の恨みを晴らすために強制的に別の肉体に復活させられたのだった。


 今生は、過去と訣別して静かに暮らしたいと願った彼だが、旧知の人々と出会い、恩讐と確執の渦に巻き込まれて行く

 その中で、魏無羨自身の過去も明かされる。果たして、彼は本当に皆が語るような、悪であり敵であったのか?


 いわゆる転生ものではあるが、主人公が頂点を目指したり、世界を変革するといった安直な話ではない。また、全てが正される訳でもない。

 

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