第22話 『初めてのモデル』

<クリス>


美奈子さんとレイラに連れていかれたのは大きな鏡が置かれている部屋に連れていかれた私

初めて見る風景


その部屋には2人の女性が待ち受けていて

皆凄く綺麗な人ばかり

「うわぁ~こんなかわいい子居たんだ~仕上げがいが有るわ~。あ。私はメイクを担当すさせてもらう宮野だよ。今日は1人だって聞いてたからメイクどうしよっか?」


って宮野さんが効いて来る。

「あ~メイクもヘアメイクも私がするから宮野さんも佐尾さんもそっちのクリスを担当してあげて。その子今日がモデル初体験なんでお願い」


ってレイラが速攻で2人に指示している

え?レイラ自分でメイクも髪も全部やっちゃうの?


「流石レイラさんね。私達プロよりも上手にやっちゃうもんね。体調不良で頼んでいたモデルさんが来れないって聞いた時は冷や汗がでちゃったって美奈子さんが悲痛な表情してたけど、まさかレイラさんともう一人逸材が来てくれるとは思わなかったわ


でもレイラさんとクリスちゃんだっけモデルやってくれるんだったら今度の『秋のお出かけファッション特集』超話題になるかもね」


「話を皆が進めちゃったから、挨拶する時間が無かったけど私がヘアメイクと衣装を担当する佐尾よよろしくね」


って皆が話をドンドンと進めちゃって挨拶するタイミングを外しちゃった佐尾さんがバツが悪そうに自己紹介をしてくれる。



今回『秋のお出かけファッション特集』で有名ブティックが協賛して衣装を提供してくれているらしい。


今日使う衣装類が衣装掛けにすでに準備されているよう

今日の撮影は1人のモデルさんで衣装を変えて撮影予定だったけれど、予定にお鉢が回って来た為に2人で今回の衣装を振り分けて撮影する事になったみたい。


最初に撮影する衣装を互いに取ってそれに合わせてメイクと髪型を変えるらしいです。

早速私は大きな鏡の前の椅子に座らされ、宮野さんと佐尾さん2人に同時にかかられてメイクと髪を同時に仕上げられてゆく。



うう~~緊張しちゃうよ~切ってもらってたしお化粧なんてレイラにしてもらったのが最初だし、プロにこんなにされるのは初体験!!


何か・・


目の前でドンドンと自分自身を変えられちゃってる現実を受け入れられない私。



え・・鏡に映った姿は誰?


嘘?


これ私?


うわぁ~~偽物だ~~

これ私だって言われても誰も信じないんじゃ?

これだったら、案外私だってバレないかも!!

なんて思ってしまう私


横に視線を移すと・・

1人で黙々と鏡に向かって凄いスピードでメイクをしているレイラが居る

凄い!!

1人で全部やっちゃってる!!


メイクとヘアメイクを一旦終わり、衣装を着てから再度メイクを衣装に会わせて微調整

プロのメイクさんって凄いんだな~


ってそれを一人でやっちゃうレイラって凄すぎない?


撮影場所にそのまま移動すると40歳くらいのおじさんが

「おお~今日はめちゃめちゃ可愛い金髪のモデルさんじゃないか。一気にやる気が出ちゃったよ。

あ・私は今日撮影を担当させてもらうカメラマンの内藤だよろしく」


「お・・俺は照明担当の野田です」

「照明担当助手の新崎ですよろしくお願いします」

「内藤さんの撮影の助手をさせてもらっている間宮です。よろしくお願いします」


おじさんがカメラマンみたい

照明担当は30歳位の男性でまだ独身なのかな?私を見てオドオドしてるよう

照明助手の人は大学卒業した位の女性、ボブカットで結構可愛いと思う


「内藤さんモデルさんを見る視線がロリコンの嫌らしい視線になってますよ。あまり嫌らしい視線で見ていると七海ちゃんにチクりますからね~」


美奈子さんと撮影の打ち合わせをして少し遅れてきたレイラさんが後ろの方から声を掛けて来た。


「ロリコンなんて酷いじゃ無いかい?俺は被写体として綺麗な物を見ているんだよ。レイラちゃんも今日は来てたんだ。じゃ~今日の『秋のお出かけファッション特集』の撮影はこの子とレイラちゃんの2人で撮るのかな?


美奈子ちゃんレイラちゃんとこの子はどういう関係なんだい?」


「レイラがこのクリスちゃんを連れて来たのよ。クリスちゃんとレイラの関係は本人たちに聞いて」


「私達の関係?クリスと私は恋人同士に決まってるじゃない」


って親指を立てて内藤さんに満面の笑顔でウィンクするレイラ

その瞬間


「へっ?」

「へっ?」

「へっ?」

「へっ?」

「へっ?」


・・・

っと素っ頓狂な声を全員が上げた。

「冗談に決まってるじゃ無いですか~本気にしないでくださいよ~クリスは訳の同居人です。それ以上詮索しないでくださいね」


「あはははぁ~一本とられちゃったな。そういう事にしとこう

早速撮影に入ろうか」


「え~お願いします。クリスは今日モデル初体験なので私がサポートしますのでよろしく~」


って感じで撮影が始まった。


「カシャカシャカシャ」


眩しい照明の中で連続でカメラのシャッターが切られてゆく

「クリスちゃんちょっと表情が硬いね。もっと力を抜いて~」


って内藤さんの助言が入る。

表情が硬いって言われても、緊張しちゃって体が思うように動かない。


その瞬間

レイラの両手が私の両頬に差し出され


『ふにゅふにゅ~』


『ふにゅふにゅ~』



っと私の両頬を軽く引っ張って来るレイラ

まさかのトンデモ行動


「リラックス~リラックス~そんくらい面白い顔だったら大丈夫~」


ってレイラは私の頬を引っ張り続けてる


「レイラいきなり酷いよ。人の頬を引っ張るなんて~」

撮影中だよ今は!!

そんな時に不謹慎だよ!!


そう私が怒りをぶつけると・・・

「良いよ良いよ~凄く良い表情になって来たよ~笑って笑って~」

内藤さんが指示を出す


レイラも


「楽しんだ方が勝ちだよ!!撮影一緒に楽しもう」


ってウィンクしてくる

もう笑うしか無いよ。

本当にレイラって何なのよ~


レイラを見ていると

思わず笑いが込上げてきて・・

思わず笑ってしまってた私


その瞬間


「カシャカシャカシャ」


連続でカメラのシャッター音が撮影現場に響き渡る。



「うんうん凄く綺麗だよ~最高だよ~」


「カシャカシャカシャ」

次々にカメラのシャッターが切られてゆく。

次々にレイラはポーズを変えてゆく

私もレイラの真似をしてポーズを決める


その瞬間

「カシャカシャカシャ」

連続でカメラのシャッターが切られ


「クリスちゃん本当に今日モデル初体験なの?」

「本当ですよ」


「カシャカシャカシャ」


「へ~そうは見えないけどね~」

「めちゃめちゃ緊張してますよ」


「カシャカシャカシャ」


「クリスちゃんスタイルいいね~バストはどの位かな?」

「内藤さんそれセクハラですよ?」

「クリスちゃん程綺麗な人を見た事無かったんでこれは聞いとかなきゃって思ってさ~」

「え~酷~~い。何気に私がクリスより落ちるってデスられてる気がするんですけど~」

「いやいやそんな事は無いよレイラちゃんも最高だよ」

「え~内藤さん今さっきは私が一番って言ったじゃ無いですか~」

「もう許して~~」


「クスクス~」

内藤さんの今にも鳴きそうな表情に思わず笑ってしまってた私


空かさず

「カシャカシャカシャ」



っとシャッターが切られる


『モデルって楽しい!!』


そして



『シャッターを切られる音が・・気持ちい~!!』


私とレイラはワンピース、ニット、ジーパン、チュニック、巻きスカートとブラウス色々な組み合わせで衣装を着替える度にメイクと髪型を変えて撮影

レイラがジーパン姿とワイシャツで髪型をポニーテールにした姿は凄くドキッとさせられちゃった。

その姿は・・凄く凄くすご~~~~くカッコよかった!!

カメラマンの内藤さんもあまりの似合いすぎにビックリしちゃってた

そんな感じで互いに5着づつ計10着の撮影をした私達


こうして私の初めての初体験・・

『秋のお出かけファッション特集』の撮影は終わった。


つづく・・・

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