魂は血を求める

第1話悲惨

とある豪華な屋敷で起きた出来事だった。その日は、ダンスパーティーが開かれるとの理由で、たくさんの人が集まっていた。そこでとある1人の男性の様子がおかしかった。目は充血し、体は震えていた。そして悲鳴とともに銃声音が鳴った。その男が散弾銃を撒き散らしたのだった。辺りは血の池と化した。いくら悲鳴が続こうが、止まぬ事のない銃声音。明らかにこの男は異常だった。

後にこの男のことを知ることになるが、この男はとても裕福な家庭で育ち、こんな事件を起こすような人間ではなかったという。まるでこの男の身体に別の人格が入ったかのようなそんな不思議な事件である…。

話は続き、その男は悲鳴に呼ばれるように散弾銃を打ちまくっていた。そして、次の瞬間その男は絶命した。理由はわからない。ただその時その男は身体全体が他人の血で、覆われていたという。まるで、魂が血を求めていたかのように…。

ただこれだけで終われば、一人の異常な男が起こした事件である。しかし、次第に他の人達の様子もおかしくなっていった。叫びながら壁に激突していく人や、人を襲い喰らう人まででてきた。まるで血のパーティーのようにこの屋敷は赤に染まった。

後に私が調べてわかったことだが、この屋敷の土地には元々墓地があった。当時その墓地は誰の管理もされておらず、不気味な墓地として有名だった。その墓地を破壊し、建てたのがこの屋敷だったそうだ。

この土地に眠る魂が、血を求めて起きた悲惨な事件。私はそう考えている。魂は常に彷徨いながら肉体を求めているのかもしれない。そして生きるための糧である血をほしがっているのかもしれない……。