少年のガラスのような心象風景と、感じやすい少年の思考を描く一作。
図鑑には知識が載っている。まるで、それが本物だと教え込むように。しかし図鑑に描かれた絵や写された写真は、何一つ本物ではない。図鑑ばかりの知識で本物を知ることを止めて、少年はその外側を目指す。
地面には蟻が太陽に溶かされた飴に群がっていた。太陽が蟻を溶かさないのは、太陽が人間と蟻を同じものとして、平等に扱っているからだ。
だから、蟻が太陽に溶かされる前に、図鑑の外側に行こう。
難しく考えるのではなく、感性で感じ取って見てください。
きっと何か、大切なものが見つかります。
是非、御一読下さい。