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絵本の中に描かれていた暖炉は、絵の具に濡れて暖かい。上へ向かう先に、夜の煙突の寒さは降りてきて、静かな対流を作っていた。絵本は雪を積もらせながら、家には暖炉の灯火を描いている。足跡を残したキツネの声が、黒の前に遮られていた。

ちいさな悲しいページが、ぶどう色の一色で塗られた空と、雪に混ざりそうな白い輪郭で描かれるキツネに割かれていた。もうなにも、いらないように思えてしまう。

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