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音と共に研究の成果は産み出されてゆく。思考を留めた時間の無限は、鉄に打たれて黒くなった。屋根の上に響いている振動は、玄関を出て川の底まで伝っているのに、誰もが気にせずにいる。
鳥の形を模倣したくてナイフで彫った木を片手に、声を出さずに玄関をくぐってみた。
人は消えて、音は重い余韻を残して去っていく。影の果てに揺れたままの、切ない装置のレバーに手を掛けると、小さな身体には回せないと分かった。
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