とてもちいさなげんの話

Tomoka Kaneko「英語表記」

第1話 母について

ここまで何回も警告として母の墓をもってしても幽霊ものだの様々こころがかたわなやからが利用している以上、隠す必要性がない母の他界。


実は母にはしっかり正社員になるまでいうつもりがなかったので、父も母も酷いことしかしなかったデジタルハリウッド株式会社、ツタヤ関係のところに教育者として勤務していた私のことを知らない。

親をかなしませるような離婚だの酒乱だの叫びたりだの品のない営業だの、わたしにはできないし、そういう育てられ方をしていないからである。


20こえたら、また、結婚したなら、親を想うことができるひとになれることが生んでくれた親にことばではなくこころで想いを伝えることにつながると考えるからだ。


母の昔のおもやにはたくさんのゲンがあっり、母は弾くというよりも、げんの張り方、ゲンの緩み方でいくえにもかわる波動から

楽譜をかいていたひとなので自分で演奏するのはあくまでも趣味の範囲だった。


私にピアノを習わせるより、そんなむづかしい楽譜かけるならひけばいいのに、というと、わたしはきいていたいのよ、いろんな波動を。音楽ってね、声がいらないでしょ?

ゲンがはじかれて響く音が湿度によってもかわる。ゲンのはりかたによってもかわる。

だからこそ、どんな相手がどんな状況で演奏するか、土地柄、風土、湿度、文化、地理、生活、様々なことを学んだ上で一年に一曲できるかできないか程度よ、納得したものは、というのでこんなにかいてて一曲?というと、

そう、たくさん書くけど、よくよんで直しているとこれなら、とだせるものは一年に一曲あるかないかね、それもよほど私が気に入ったひとのためでないとかけない、かくきがおきないという。


お母さんがそんなに物知りなら、私が物差しでたたかれてまでピアノ弾かなくてもよかったじゃん、いうと教養として身につけておいてほしかったの、指をよく動かしておくと、記憶力が凄くよくなるのよ、今のあなたかが普通の子なら生まれた時のことから覚えていないことをいえるように、よく覚えてるね、ってあなたはよくいわれてるじゃない?

指をよく動かしてきたからよ、とだけつたえたあと、社宅に戻ると例の兄が不協和音を

呼ぶ種をもってきた...。


しっとりと優雅にゲンのゆるみをつけたりゲンを張ったりしながら、優雅にレコードを聴いていた私との時間を終え、社宅に戻ると...


流行ってんの、エレキギター!!!

かっこいいだろ!

ジャーン!


私が漱石だったら失神しかねないこの格差といえばいいのだろうか。


しっとりとしっくなクラシックにひたってきた母と娘の前に、タンクトップいっちょでかみを父が会社にいくときたまにつかっているポマードでかためたロックマンかぶれの兄。


母はやめなさい!下品な!としばし怒鳴っていたが反抗期のさなかの兄をみてジェームズディーンにたとえがたい我が子に呆れ、

おおきなため息をつき、社宅だからアンプはだめよ、というと、そこまで金ねぇ、で、

どうやってひくの?金子せんせーいおしえてくださーいと母によってくるなり、母は

私に相談もなくかってきてかっけーだろ、と自慢しておいて教えろだと?

外いって頭冷やしてきな、譜面は自分で読めるようになれよ、はなたれ小僧、といい兄のタンクトップの首根っこをつかみエレキギターをもたせると、ほーらよっと譜面をほいと外にだし、

カッケーんだろ?そとでひいておぼえな、うちの子じゃないから、と兄をつまみだした。


そこそこ寒いおもてからちくしょう、くそばばぁといきりたつ兄の声がきこえた数分後

インターホンが鳴った。

母も私も無視していると、どんどん玄関をたたき開けてくれよと、叫ぶ兄。


さらに無視していると、トイレなんです、

開けて、という。


早すぎない? まだ表にだして3分もたってないよ?

きっと嘘だよ、みえすいてるねぇ。


そういって無視していたら

どんどん

叩く兄から、薄着で冷えた、あけて、もれると悲鳴がでたのでドアをあけ、トイレに入っている間に母はどこからかギター入門の譜面に書き込みをしたのをもってきて、兄が

トイレからでてくると、まず、ちゃんとした服をきなさい、身体こわすからね。

それから、まず、これをみて、ひけるようになってからエレキのカッコしてみたら?というと

兄は教えてくれんの?ふーんギターってこうやって弾くんだぁ、と、すでに私でも弾けるようになっていた禁じられた遊びといった入門をひきながら、ときどき、でもなぁ、やっぱ、ピックつかいたいんだよねえ、などというので母は勝手にしなさい、と、ほおっておいたところ、一月もたたないうちに、兄のエレキはオブジェと化し、家を建て直し越した時には捨てていや、となっていた...。


どこまでもにわかな兄とだれかがイコールにならないのはにわはずるばかりするが、兄には知識も実績も手に職もある。


雲泥の差とはまさにことこと。


4:57


てとてを合わせる時間がまいりました


この時間母が息を引き取ったと、あとから

父かに教えられ息を引き取るとき私を呼ばずエンバーミングも全ておえ、安らかな顔になった母を最後みせたかったという父の優しさに当時は気がつかず、なんでよんでくれなかったの?かけつけたのに、と伝えたけれど、

自分の身体のことより母のことばかり想い見舞いに通い続けていた私をかなしませたくなかったことは、エンバーミングが終わり自宅に戻ってきた母のところに毎日通うなかでも周りに気を使い、声をだして泣けない日々、4日目くらいに泣き出したらとまらなくなり

おんおん一晩中大声で泣き続けていたとき、父は何も言わず、だまって背中をむけご飯を食べながら何もいわないままだったが、千葉のままさんの墓じまいも私の手伝いをことわり新しいお墓ができるまでひとりでやりきりたかったのはお母さんの永眠の場所をしっかり固めたいという父のこころからの愛情だったわけで、しっなり固まってから娘に見せたいというのも父の言葉にださない愛だと私が理解できるのは、私の父も母も愛してるだの好きだの一言もくちにしたことはなく、言葉ではなく行動をもって相手のこころに響いたとき、だまってうけとってもらえたら、愛が交わせたといった信頼にもとづく生き方をしてきたのをよく知っている私だからこそ、私は

やすやすと歌や詩に書く人を信じることができない。

きっと東芝もだんだん下品な歌手ばかり増え、嫌気がさし、音楽を捨てたのだろうと私は察するこおができ今に至る気がする。


音楽のきこえない、音を聞かない世界きま

いかに落ち着くか、Amazonをやめてつくづく感じたしこころがあらわれ、掃除がとても捗るからだ。


母に心配をかかないよう、今日は寝てます。

今年はお墓参りもお預けですが、いのりはこころで捧ぐもの。

どこにいても私は祈っていることを私の母は

わかっているにちがいない。 5:09






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